英中銀、政策金利据え置きを決定、中東情勢の影響は不透明
(英国、中東)
ロンドン発
2026年05月01日
英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は4月30日、政策金利を3.75%に据え置くと発表
した。金利据え置きは3会合連続となる。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で9人中8人が据え置きを支持、残る1人は0.25ポイントの利上げを支持した。中東情勢がエネルギー供給に与えた混乱により世界のエネルギー価格が急騰。燃料価格などの上昇が英国で顕在化しインフレ見通しが一変した。インフレ率は3月に3.3%に上昇し、2026年後半さらに高まる見込みで、2%の目標値近くまで低下すると予想されていた3カ月前とは全く異なる状況であるとした。
BOEは同日、金融政策報告書
も公表した。同報告書では、中東情勢の深刻度や継続期間、世界的なエネルギー供給への影響や英国経済への波及効果は不透明であるとして、今後の英国経済に起こり得る展開として3つのシナリオを提示した。
○シナリオA:エネルギー価格は市場の先物曲線に沿って推移。二次的影響(エネルギー価格の上昇が賃金や価格設定の動向に与える影響)なしの場合
- インフレ率:2026年末に3.6%まで上昇。4月22日までの15日間の市場金利が示唆する経路に沿って金融政策が推移すると仮定した場合、2027年末に2%を下回り、2029年第2四半期には1.7%まで低下する。
- GDP成長率:2027年第1四半期に0.5%まで減速した後、2029年第2四半期までに1.8%まで回復する。
○シナリオB:エネルギー価格が最初の6カ月間は市場の先物曲線に、その後は先物曲線と6カ月時点のスポット価格の平均に沿って推移。二次的影響は限定的だが、短期的なインフレが予想される場合
- インフレ率:2026年末に3.7%まで上昇し、エネルギー価格の下落に伴い低下するが、下落ペースが緩やかなため長期間高止まりする。4月22日までの15日間の市場金利が示唆する経路に沿って金融政策が推移すると仮定した場合、2028年に2%の目標水準付近となる。
- GDP成長率:2027年第1四半期に0.6%で底を打った後やや回復する。
○シナリオC:エネルギー価格が急騰し、その後も長期間高止まり。二次的影響がより強く持続する場合
- インフレ率:2027年第1四半期に6.2%でピークに達し、目標値を上回ったまま2029年第2四半期は2.6%となる。
- GDP成長率:高止まりするエネルギー価格、世界的な輸出価格の上昇、強力な二次的影響に加え、利回り曲線(イールドカーブ)の影響が組み合わさり経済活動が著しく悪化。2027年第1四半期に0.3%まで低下する。
(野崎麻由美)
(英国、中東)
ビジネス短信 db0a09dcfd1c6bf1





閉じる