米アクシオム・スペース日本法人設立へ、アジア太平洋地域への進出拠点に

(米国、日本)

ヒューストン発

2026年05月19日

米国テキサス州に所在する宇宙インフラ開発を手掛ける企業アクシオム・スペース(Axiom Space)は5月14日、7月1日に日本法人を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。日本法人は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の元宇宙飛行士で、2024年からアクシオムの最高技術責任者(CTO)を務める若田光一氏を代表に迎え、アジア太平洋地域への進出拠点として、有人宇宙飛行や低軌道における研究・製造に関するパートナーシップの拡大を担う。また、日本企業との連携強化と同時に、日本市場の開拓を図る。

アクシオムは、2030年ごろ運用終了予定の国際宇宙ステーション(ISS)の後継となる商業宇宙ステーションをはじめとした宇宙インフラの構築を進める。低軌道での研究や技術革新を促し、将来の宇宙経済の拡大を目指すとともに、現在は民間有人宇宙飛行サービスや月探査向け宇宙服の開発も担う。これまでに11カ国から参加した宇宙飛行士による民間ミッションを4回実施し、160件以上の研究を行ってきた。今後はNASAの選定により2027年にも次のミッションを予定しており、2028年には商業宇宙ステーションの初号モジュール打ち上げを目指している。

若田氏は会見で、同社の最高責任者(CEO)ジョナサン・サーテイン氏とともに、米国大使館、防衛省、内閣府宇宙政策委員会、文部科学省、JAXA、三井物産、三菱重工、三菱電機、日本低軌道社中(注1)などと会合を行い、今後の協力の可能性について協議したと述べた。同社は日本を、宇宙機や研究機材の調達を担う拠点として活用する意向で、ステーション運用における重要なパートナーと位置付けている。商業宇宙ステーションは2029年後半の運用開始を見込み、2030年ごろには4人の宇宙飛行士の常駐を目標とする。将来的には日本人宇宙飛行士の参加にも期待を示す。

若田氏は2024年8月から、日本での活動拠点として東京都中央区の日本橋を選定しており、その理由として同氏は、同地域には三井不動産やJAXAなどが主導する共創拠点(注2)が整備され、宇宙企業やスタートアップ、大学、商社など産官学のプレーヤーが集まる「宇宙ビジネスのハブ」が形成されていることを挙げている。

(注1)三井物産が設立した宇宙開発ベンチャー。三菱重工、三菱電機などからも出資を受けており、民間宇宙ステーションに接続する「日本モジュール」の開発などを行っている。

(注2)三井不動産主導の一般社団法人「クロスユー」は、日本橋を拠点に宇宙企業・研究機関など330以上の会員を集め、30社以上が拠点を構える国内最大級の宇宙ビジネス共創プラットフォーム。2022年9月に設立、2023年4月より活動開始。

(キリアン知佳)

(米国、日本)

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