太陽光発電業界初の「専利」プールが成立

(中国)

上海発

2026年05月01日

中国工業情報化部は4月21日、中国の太陽光発電業界で初となる「専利」プール(注)が成立したと発表した。業界大手の天合光能(トリナ・ソーラー)、晶澳太陽能科技(JAソーラー)、晶科能源(ジンコソーラー)の3 社が共同発起人となり、サプライチェーン関連企業や研究機関、知的財産サービス企業などと連携して立ち上げた。

専利プールには、各社からTOPCon(トンネル酸化不動態化コンタクト)型電池およびモジュール技術を中心に、計54件の関連専利が集められている。参加企業間でクロスライセンスを行うほか、外部企業に一括でライセンスを供与する仕組みとなる。背景には、「第15次5カ年(2026~2030年)規画」で、新興分野における知的財産保護制度の強化が明記されたことがある。過当競争が続く太陽光発電業界において、知的財産を軸とした協調体制を構築し、グローバル市場の不確実性に対応する狙いだ。

また、工業情報化部は、専利プールの設立により、個別企業が抱える専利訴訟リスクの低減が期待されるとしている。

市場調査会社のインフォリンク・コンサルティングの発表(2月27日)によると、2025年の太陽電池モジュール世界出荷量上位12社のうち、上位7社はいずれも中国企業となった。ジンコソーラーと隆基緑能科技(ロンジ)が約80~90ギガワット(GW)で首位に並び、トリナ・ソーラーとJAソーラーは約60~70GWでともに3位となった。上位4社はいずれも米国の生産拠点からの出荷が含んでおり、生産能力を巡る競争も激化している。なお、TOPCon型モジュールは、ランキング対象企業の出荷量全体の約95%を占めているという。

(注)専利とは、日本の特許(発明)、実用新案、意匠に当たる。専利プールとは、複数の企業や団体が保有する特許を1つにまとめ、共通のライセンス条件で第三者に提供する仕組み。

(劉元森)

(中国)

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