タイ政府、EVラベル表示の徹底を業界に指示
(タイ)
バンコク発
2026年05月20日
タイ消費者保護委員会(OCPB)は5月12日、電気自動車(EV)メーカーと消費者協議会との会合を開き、EVに関するラベル表示徹底などについて協議したと発表した。
会合は、OCPBの監督官であるスパマート・イサラパックディー首相府付大臣が主導した。同大臣は、EVに関して消費者から2024年以来1,348件を超える苦情が寄せられていることを明らかにし、「消費者保護法を順守するよう、関連企業に指示した」と述べた。
OCPBの集計と分析が完了した1,348件の苦情の内訳をみると、車両の欠陥や故障(47.3%)、予約金の返金拒否(18.2%)、購入後の大幅な値下げ(14.7%)、約束された販促品の未納(13.1%)、事故や修理の遅延(2.9%)などだった。また消費者からは、サービスセンターの閉鎖が329件(41.5%)、機器の欠陥や損傷が164件(20.7%)、スペアパーツの入手遅延が94件(11.9%)、メーカー閉鎖後の車両返却不能が52件(6.6%)報告されている(「バンコク・ポスト」紙5月12日付)。
スパマート大臣が企業に指示した内容は、主に(1)EVラベル表示義務の順守、(2)「1充電当たりの航続距離」に関する試験の実施条件(平均速度や温度など)や関連基準(例:EPA、WLTP、NEDC、CLTC、注)に加え、無料特典やメリット、バッテリー保証について、基準や方法、条件、開始・終了日を明確にすること、また(3)新車販売は、OCPBが規定する、自動車予約の標準契約を使用し、車種・種類・ブランド・モデル・製造年・価格・納車日・契約解除権を明記すること、の3つに分かれる。
EVラベル表示義務については、消費者保護法に基づき、(電気)自動車・バイクを「表示規制対象製品」に指定する官報
が3月に施行。企業は、基準を満たす製品ラベルを作成し、次の情報を表示する義務を負う。違反した場合は、最長6カ月の禁錮刑、最高10万バーツ(約49万円、1バーツ=約4.9円)の罰金、またはその両方が科せられる。
- 製品名、モデル、商標
- 製造者または輸入者の名称と住所
- 車両の技術仕様
- バッテリーに関する情報、性能、航続距離
- 使用方法、取扱説明書、安全上の警告
- 価格および関連する利用規約
(注)EPA、WLTP、NEDC、CLTCは、EVの「1充電当たりの走行距離」や「電費(燃費)」を測定する各国のテスト規格。
(藪恭兵)
(タイ)
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