ムンバイで「コミコン」開催、ジェトロが日本のエンタメ企業向け視察ツアー実施
(インド)
ベンガルール発
2026年05月26日
インド西部ムンバイで5月9~10日、「ムンバイ・コミコン(Mumbai Comic Con)2026」が開催された。主催はコミコン・インディアで、インド全土11都市で開催される国内最大級のポップカルチャーイベントだ。今回は自動車大手マルチ・スズキやアニメ配信大手クランチロールが主要スポンサーとなり、マハーラーシュトラ州産業局や同州の産業・通商・投資促進機関(MAITRI)の後援のもとで実施された。また、コミコン開催に合わせた同月10~12日には、ジェトロが日本のエンタメ関連企業を対象としたインド・エンタメ産業視察・マッチングツアーを実施した。
コミコン会場では、アニメ・映画関連ブース、ゲーム体験ゾーン、書籍や関連グッズの販売ブースなどが設けられ、多くの来場者でにぎわった。日本からは、カプコン、グッドスマイルカンパニー、ドリームズ、パイロット、バンダイナムコ、MIXIなどの企業が出展した。人気アニメ「俺だけレベルアップな件」の主人公・水篠旬を演じる声優の坂泰斗氏が登壇するセッションや、テレビアニメ「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー!」で知られるアニメソングシンガーのきただにひろし氏のライブパフォーマンスには多くの来場者が集まり、日本コンテンツに対する高い関心がうかがえた。
コミコン会場の様子(ジェトロ撮影)
一方で、会場の一部では非正規ライセンス品や模倣品とみられるキャラクターグッズも見られ、知財面の対策に課題が残っている。執筆者の印象では、3年前の類似イベントでは販売される商品の7~8割が模倣品だったが、今回はそれが3~4割に減少していた。減少傾向の背景には、インドにおける模倣品に対する意識の変化や正規品を販売する企業の増加などがあると思われる。
コミコン開催の機会を捉えてジェトロが実施したツアーには、インドにおけるエンタメ分野での事業展開に関心がある日本企業14社が参加した。コミコン視察に加え、現地の配信事業者や映像制作会社、マーチャンダイズ企業、コンテンツマーケティング企業、インド工科大学ボンベイ校(IITB)などへの訪問を通して、インド市場に対する理解を深め、各社との協業可能性について意見交換を行った。
また、同ツアーの一環として現地アニメファンやインフルエンサーとの交流会も開催され、現地消費者の嗜好(しこう)やコンテンツ受容の実態を把握する機会が設けられた。訪問先の現地企業は、日本IP(知的財産)のローカライズや共同制作、ライセンス展開への関心を示す一方、インド市場向けローカライズやインドでの製造の重要性を指摘した。参加企業からは、「訪問したインド企業から、日本企業は確認に時間をかけ過ぎると言われて驚いた。日本企業との実績があり、信頼できるパートナー企業が育ってきていると感じた」との声が聞かれた。
現地のアニメファン、インフルエンサーとの交流会(ジェトロ撮影)
ジェトロはインドを含む世界7カ所にコンテンツ海外展開支援拠点を設け、日本のコンテンツ産業の海外展開を支援している。
(小柴里沙)
(インド)
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