山東省、第15次5カ年規画に基づきグリーン電力を拡大

(中国)

青島発

2026年05月01日

中国の山東省政府は4月21日、「山東省第15次5カ年(2026~2030年)規画要綱」に関する記者会見を開催した。張海波副省長は、エネルギー消費大省である同省が今後5年間で脱炭素化をどのように推進するかを説明した。

同省はエネルギー構造の再構築を推し進め、風力・太陽光発電を両輪とするグリーン電力の供給体制を構築する方針だ。クリーンエネルギーの開発と化石エネルギーの高効率利用を並行して進める。原子力発電については、現在の省内原子力発電設備容量は1,110万キロワット(全国3位)だが、第15次5カ年規画期末までに稼働中・建設中を合わせて3,000万キロワットに拡大するとした。これにより、原子力発電量は非化石エネルギー発電量の4分の1を占め、非化石エネルギー全体の設備容量を約2億キロワットに引き上げる。同省エネルギー局が4月2日に行った「新エネルギーの高効率利用の推進、グリーン電力代替の促進」に関する記者会見によれば、現時点で非化石エネルギーの設備容量はすでに1億4,000万キロワットを突破し、省内の電力設備容量の約55%を占める。また、第14次5カ年(2021~2025年)規画期間における省内の風力発電、太陽光発電の年平均利用率はそれぞれ97.2%、98.5%と、いずれも全国平均を上回った。張副省長は、よりスマートで調整しやすい新型電力システムを構築し、グリーン電力の安定供給を確保するとした。

また、記者会見では、グリーン電力の受け入れ拡大と電力システムの調整能力向上に向け、2つの革新的な措置が説明された。

1つ目は、バーチャルパワープラント(VPP、注)の普及加速だ。2026年2月末時点で省内には44カ所のVPPが稼働しており、電力とコンピューティング能力の連携推進や、一部地域でのグリーン電力専用変圧器の導入・分散型新エネルギーの建設を支援する。省は「山東省バーチャルパワープラントの質の高い発展を促進するプラン」を発出し、VPPの電力市場参入要件、取引モデルおよび収益分配メカニズムを明確化することで、分散型電源や蓄電設備などの資源の集約と運用調整を実現する。2026年末までに、省内のVPPによる調整能力は150万キロワット超となる見通しだ。

2つ目は、「電源・送電網・負荷・蓄電の一体化」という発展モデルを普及させ、近距離での電力消費を支援する。現在推進中の煙台市海陽の万華プロジェクトでは、負荷側に年産20万トンのリン酸鉄リチウム生産ライン、電源側に18万キロワットの風力発電と7万2,000キロワット時の蓄電設備を組み合わせる。風力発電・蓄電・負荷をリアルタイムで精密に制御することで、新エネルギーによる自家消費電力量は3億5,000万キロワット時を超え、総消費電力量の半分以上を占める見込みだ。

(注)家庭や工場にある太陽光発電・蓄電池などの分散型エネルギー資源を、IoT技術で統合・制御し、1つの発電所のように運用する仕組み。再生可能エネルギーの不安定さへの対応や電力需給バランスの調整を担い、安定した電力システムの実現に貢献する。

(董玥涵)

(中国)

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