西ベンガル州議会選挙、国政与党BJPが初の政権獲得

(インド)

ニューデリー発

2026年05月08日

インド東部に位置する西ベンガル州の州議会選挙(定数294)は、4月23日と29日の2回に分けて投票が行われ、5月4日に開票された。ナレンドラ・モディ首相率いる国政与党のインド人民党(BJP)が、前回(2021年)の77議席を大きく上回る207議席を獲得し圧勝した(添付資料表参照)。BJPが西ベンガル州で政権を担うのは初めて。2011年から15年間にわたり政権を担ってきた、全インド草の根会議派(TMC)は前回から大きく議席を減らし、80議席にとどまった。投票率は過去最高の92.47%だった。

西ベンガル州は、独自の言語・文化をもつベンガル人としての民族意識が強い地域だ。TMCは、これまで州首相を務めてきた同州出身の女性マムター・バナルジー氏が1998年に立ち上げ、ベンガル地域の利益の優先や社会福祉を重視する政策を中心に、特に女性や低所得者層からの支持を得てきた。これに対し、BJPはこれまでTMCから「よそ者」とのレッテルを貼られ苦戦を強いられてきたが、今回の選挙戦では同地域の人々や文化に寄り添う姿勢を強調したほか、TMCの基盤支持層である女性に向けた政策の打ち出し、TMC政権の政策・汚職に対する批判によって支持を集め、歴史的な勝利を収めた。

西ベンガル州では、1970年代の左派政権の台頭などにより産業流出が急速に進んだ。首相経済諮問委員会が2024年9月に発表した報告書によると、同州は、1960年度(1960年4月~1961年3月)には州別の1人当たり所得で3位とインド国内でも比較的豊かな地域だったが、2023年度には24位まで低下しており、他州と比べ経済成長が大きく遅れている。また、企業省のデータによると、2011年から2025年までの間に6,688社が同州での事業を閉鎖または他地域に移転した(5月4日「ミント」紙)。経済成長を重視した政策を進めてきたBJPが政権を握ることで、産業誘致による経済活動の活性化が期待される。

一方、バナルジー州首相は選挙結果を受けて、「TMCの敗北は民意ではなく陰謀によるもの」として州首相辞任を拒否すると発言している。また、ファルタ選挙区の1議席については、有権者への脅迫や投票機の改ざんなど選挙不正が疑われることから、選挙委員会が、今回の選挙結果は「無効」としてやり直し投票を命じた。最終的な結果は、5月末に確定する見込み。

(丸山春花)

(インド)

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