内務省科技庁、最新の公共安全技術開発で10企業・団体と協力協定

(シンガポール)

シンガポール発

2026年05月08日

シンガポール内務省管轄下のホームチーム科学技術庁(HTX)は4月30日、NTTデータなど10企業・団体と宇宙技術や人工知能(AI)など最新の公共安全技術開発に関する協力協定を締結した。調印式は、HTX、HTXの子会社テックエックス・ベンチャーズ、フランス内務省の技術協力機関シビポール(CIVIPOL)とフランスのイベント会社コムエクスポジアムが4月28~30日にシンガポールで開催した公共安全技術の国際展示会・会議「ミリポール・テックエックス・サミット(MTX)2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で行われた。

HTXが今回協定を結んだのは、NTTデータ(本社:東京都江東区)、米国半導体大手エヌビディア、地場総合防衛・エンジニアリング会社STエンジニアリング、フランスのAI企業ミストラルAI、地場配車サービス会社グラブ、地場IT企業NCS、米国製品安全基準団体ULスタンダード&エンゲージメント(ULSE)、香港警察、シンガポールとドイツに本社を置くAI認証会社レサロ、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の10の政府機関・団体・大学・企業。

NTTデータとは、次世代ネットワーク、サイバーセキュリティー、AI活用型の脅威検知ソリューションなどの技術供与に関する覚書(MOU)を締結した。また、エヌビディアとは、自前でAIを開発・運用する「ソブリンAI(AI主権、注)」で協力を深める。STエンジニアリングとは、公共安全用途の宇宙技術開発で協力する予定だ。

K・シャンムガム内務相兼国家安全保障調整相は4月28日、MTX2026の開幕演説で、公共安全において「AIが最も重要な戦力増強手段となりつつある」と述べた。HTXは2025年、STエンジニアリング、グーグル、エヌビディアと米国のソフトウエア会社ニュータニックスとの協力の下、内務省初のソブリンAIである「NGINE」を開発している。また、2026年9月には「ホームチーム・ヒューマノイド・ロボティクス・センター(H2RC)」を開設し、火災などリスクの高い現場に特化した人型ロボットの共同開発や試験を行う計画だ。

内務省、初の人工衛星打ち上げへ

このほか、同相は、内務省初の人工衛星「エクスプローラー(Xplorer)」の開発を発表した。同衛星は、有害なガスの煙柱を上空から検知し、消火活動を担う民間防衛部隊(SCDF)が迅速に対応できるようにする。

MTX2026には、NTTデータやNEC(本社:東京都港区)など日系企業を含む約270社が出展し、89カ国から推定2万人以上が参加した。

写真 MTX2026の展示会場で警備ロボットや対ドローン技術などを展示する地場総合防衛・エンジニアリング会社STエンジニアリング(ジェトロ撮影)

MTX2026の展示会場で警備ロボットや対ドローン技術などを展示する地場総合防衛・エンジニアリング会社STエンジニアリング(ジェトロ撮影)

(注)ソブリンAIAI主権)とは、国や企業が自国、自社のデータと基盤を活用して、外部への依存を最低限に抑え、AIシステムを自立的に開発・運用すること。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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