S&P、インドネシアの信用格付けで中東情勢への対応力を注視
(インドネシア)
ジャカルタ発
2026年05月08日
格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)グローバル・レーティング(以下、S&P)は4月30日に開催したインドネシア経済の見通しに関するウェビナーで、同国の信用格付け判断について、中東情勢の影響を緩和するための財政余力を改善できるかが重要になると対応力を注視する見方を示した。S&Pは、同国の財政余力は東南アジア諸国の中でも脆弱(ぜいじゃく)な部類に入るとしながらも、インドネシア政府が表明した歳出削減策など、影響を吸収するための緩和策が進行していることから、現時点では格付けや見通しに対してネガティブな措置は取っていないと説明した。
S&Pはインドネシアの信用格付けについて、2025年7月のレポートで、堅調な経済成長見通しや軽微な対外債務負担などを加味し、見通しを安定的としていた。一方、2026年4月14日に米国の首都ワシントンで行われたインドネシア政府との会合では、S&Pがインドネシアの財政状況、特に国家歳入に対する債務利払い比率について懸念を示していた。これを受け、プルバヤ・ユディ・サデワ財務相は、財政規律を堅持し、財政赤字をGDP比3%以内に抑える方針について言及した(4月17日付「コンパス」)。
インドネシアの信用格付け見通しを巡っては、大手格付け会社で判断が分かれている。ムーディーズは2月5日、政策の実効性に関するリスクなどを理由に、見通しを安定的からネガティブへ引き下げた。フィッチ・レーティングスも同様に、3月4日、政策の不確実性や財政悪化リスクなどを理由に、見通しをネガティブへ引き下げた。なお、各社のインドネシアの信用格付けは、S&PとフィッチがBBB、ムーディーズがBaa2となっており、いずれも投資適格級を維持している。
(山田研司)
(インドネシア)
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