米国西海岸での日本製品への需要は食品中心に堅調、トータルコストは上昇
(米国)
ロサンゼルス発
2026年05月13日
ジェトロでは、米国西海岸における日本製品の輸入・流通に関わる日系・非日系企業へのヒアリング(4月15~23日)を実施し(注)、円安の長期化や原油価格の上昇に伴う物流コスト増加、関税の影響による調達環境の変化を把握した。
全体として、日本製品への需要は引き続き堅調であり、特に抹茶、業務用食品などへの関心は高い水準で維持されている。一方で、輸送費や原材料費の上昇、関税の影響などを背景に、仕入れ量を抑制しつつ商品を選別する動きもみられ、企業ごとの対応は分かれている。
多くの企業が指摘したのは、円安により価格面で一定のメリットがある一方、日本側メーカーの値上げや物流費の上昇が重なり、トータルコストは依然として上昇傾向にある点だ。特に日本酒や酒類に加え、一部プラスチック製品ではコスト上昇が報告されており、関税や流通コストの影響も含めて最終価格への転嫁が進んでいるとの声が聞かれた。店頭価格の上昇を受けて消費者の購買点数が減少し、仕入れ量の調整につながっているケースもみられる。
供給面では、ゆず果汁についてはバルク品(小売り包装されてない商品)を中心に需要に対して供給が追い付かない状況が指摘され、調達難が継続している。また、抹茶についても業務用・小売り用ともに引き合いが強く、安定供給の確保が課題となっている。日本産コメについては価格高騰の影響がみられ、需給環境の変化を背景に調達面での課題が生じているとの指摘があった。
一方で、日本食品以外への関心もみられた。ヒアリングでは、IP(知的財産)関連商品や日本酒ギフトセット、職人が生産に関わった高付加価値品雑貨など、日本ならではの強みや特性を持つ商材への引き合いが確認された。地方特産品などの商品へ需要も拡大しており、特に、品質や産地背景などを通じて「なぜ日本製なのか」を明確に説明できる商品が選ばれる傾向が強まり、日本製品としての付加価値の可視化が重要性を増している。
(注)ジェトロが運営する、海外バイヤー向けオンラインカタログサイト「Japan Street」に登録する日本企業へのフォローアップの一環として、在米食品・日用品ディストリビューター、レストラン、食品・日用品小売り、飲料メーカーなど合計30社に対してヒアリングを実施。
(野尻久美)
(米国)
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