スリランカ、車両輸入に50%のサーチャージ導入、外貨準備への圧力緩和
(スリランカ)
コロンボ発
2026年05月27日
スリランカ政府は5月15日、外貨準備への圧力緩和を目的として、自動車輸入に対し50%の一時的なサーチャージ(割り増し)を導入すると発表した(HSコードによる対象品目は添付資料参照、87.02~87.04)。
本措置は、官報(特別号第2488/56号)により公布され、関税条例(第235章、1988年法第83号により改正)第10A条に基づき実施されるもので、一般税率および優遇税率の双方に適用される。対象には乗用車、バス、ジープ、バン、貨物車両など、幅広い自動車が含まれる。5月15日以前に信用状(L/C)が開設された取引については、適用除外とされている。
アニル・ジャヤンタ・フェルナンド財務副大臣は特別記者会見で、本措置の目的について「輸入需要の抑制、外貨準備高の保全、マクロ経済の安定維持」と説明した。実施期間は3カ月程度を想定した一時的措置とされ、不要不急とされる個人向け車両輸入の延期を促すことで、外貨流出の抑制を図るとしている。
スリランカでは、輸入拡大や対外債務返済負担に加え、中東情勢悪化の影響による輸出、送金、直接投資(FDI)の流入鈍化が重なり、外貨準備への圧力が続いている。過去の経済危機時にも、自動車の輸入制限や関税引き上げなどが国際収支の安定化策として採用されている(2025年2月4日記事参照)。
スリランカ中央銀行(CBSL)によると、2026年4月末時点の外貨準備高は約68億ドルとなっている。地元報道によれば、チャンドラナート・アマラセカラCBSL副総裁は5月14日の国会公共財政委員会(COPF)において、同国が2026年に4年ぶりの経常収支赤字に転じる見通しを示した(5月18日「エコノミーネクスト」)。背景には、原油価格の高止まりによる輸入額増加があり、ドル流出が流入を上回る状況となっている。なお、為替面では、スリランカ・ルピーが対ドルで年初来約4.5%下落している(5月15日時点)。政府は今回の措置により高額品の輸入抑制を進め、外貨需要の縮小を図る構えだ。
(ラクナー・ワーサラゲー、志鎌大介)
(スリランカ)
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