イスラム商工会議所、アグリフードイベントを通じてパキスタン農業分野の投資機会を広くアピール

(パキスタン)

カラチ発

2026年05月25日

パキスタンのカラチに本部を置くイスラム商工会議所(ICCD)は514日、「AgriFoodGlobal Investment and Partnership Conference & Expo」を開催し、講演、パネル討議、展示会を通じてパキスタンの農業分野の投資機会を広くアピールした。本会合は、農業分野への投資促進および国際連携の強化を目的に、政府関係者、国際機関、金融機関、民間企業などが参加し、各機関の取り組み紹介、課題解決に向けた議論などが行われた。

写真 会場エントランスのバナー(ジェトロ撮影)

会場エントランスのバナー(ジェトロ撮影)

ICCDは、1977年に設立されたイスラム諸国の商工会議所などを結びつける国際経済団体で、パキスタン商工会議所連合会(FPCCI)を含む68の経済団体が加盟している。イスラム協力機構(OIC)と連携し、同機構加盟国を中心とする民間セクターの橋渡し役として、貿易・投資の促進に取り組んでいる。

イベントの冒頭、カイサル・アフメド・シェイク投資担当連邦相が登壇し、食料安全保障や農業セクターの持続的発展の重要性を強調した。基調講演では、ズベール・トゥフェールFPCCI前会頭が、気候変動による食糧供給の断絶や世界的な食糧サプライチェーンの不安定化などを例にあげ、強靭(きょうじん)で持続可能な農業システム構築の必要性を指摘した。パネル討議では、パキスタン・シングル・ウィンドウ社のチーフ・ドメイン・オフィサーであるナビード・アッバス・メモン氏が、生産地から輸出先までのトレーサビリティー確保や、生産地での冷蔵施設の不足を、金融支援策で解決すべきと問題提起した。また、ベルドラ・ベンチャーズ社のサイード・ムハンマド・マード最高経営責任者(CEO)は、農産物の高付加価値化、ブランド構築、加工技術や品質基準の向上、物流効率化が輸出競争力強化の鍵であると説いた。そのほか、農業金融やデジタル市場、保険活用のセッションでは、ファイサル銀行の農業ビジネス担当カントリー・ヘッドのジーシャン・イスラール氏やパンジャブ銀行チーフ・デジタル・オフィサーのノフェル・ダウド氏らが、資金アクセスの改善が農業近代化に不可欠と指摘した。

写真 パネル討議の様子(ジェトロ撮影)

パネル討議の様子(ジェトロ撮影)

パキスタンは農畜水産業がGDPの約4分の1を占める農業国であり、外貨獲得手段の多様化に向けて、従来の綿花やコメに加え、農産物の輸出拡大と高付加価値化に注力している。一方で、農業の近代化・機械化の遅れが課題とされ、海外からの技術導入や投資を積極的に求めている。

こうした状況下、日本企業にとっては、農業機械、生産効率向上の技術、食品加工、コールドチェーン整備などの分野でビジネス機会が見込まれる。FPCCIのマヘール・アラム・カーン事務局長は、日本企業が有する品質管理や効率的なサプライチェーン構築の強みが、パキスタンの農業の高度化と輸出競争力の強化につながるとし、日本企業との協業に期待を示した。

(糸長真知)

(パキスタン)

ビジネス短信 b103d082adef2a4f