三重県で複合イノベーション施設のオープン式典が開催、廃校舎を再整備
(日本)
名古屋発
2026年05月01日
スタートアップ企業、研究者、地域企業、学生などに向けた複合インキュベーション施設「神社Cheers
(かみやしろチアーズ)」のグランドオープン記念式典が3月24日、三重県伊勢市で開かれ、一見勝之三重県知事、鈴木健一伊勢市長らが参加した。
テープカットの様子(左から3人目が一見勝之知事、4人目がISEKADOの鈴木成宗氏、5人目が鈴木健一伊勢市長、ジェトロ撮影)
三重県は2025年、内閣府が指定する「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市・グローバル拠点都市」に選定された。これに伴い、ジェトロが支援する「Central Japan Startup Ecosystem Consortium
」(注)へ岐阜県、静岡県とともに加わった。
中部地方では、愛知県の「STATION Ai
」や静岡県の「FUSE
」、岐阜県の「コネクトベース垂井
」など、地域の特性を生かしたインキュベーション施設が既に各地で開設されている。一見知事は、三重県に本格的なインキュベーション施設が整備されたことについて、「さまざまな企業や事業が生まれ、羽ばたくことを期待する」と述べた。同県は、産業イノベーション推進課を設置し、ワンストップ窓口、実証支援などでエコシステム事業を推進している。
「神社Cheers」は、クラフトビールISEKADO
を手がけ、2025年からベトナムで海外生産に取り組むなど世界13カ国・地域に輸出をしている二軒茶屋餅角屋本店(三重県伊勢市)が、廃校となっていた伊勢市内の旧神社小学校の校舎をリノベーションし開設した施設。「大人の実験室」をテーマに、旧校舎の雰囲気を残しながら、コワーキングスペースやシェアキッチンなど、多彩な用途に対応する施設へと再整備した。主に発酵技術や資源循環などISEKADOの事業分野を中心に、スタートアップや研究者、地域企業、学生などが交流し、実証実験を行うことができる。同社は、ここを拠点にASEAN諸国などに向けた事業展開も構想している。
施設内のシェアキッチン(ジェトロ撮影)
同施設について、鈴木成宗代表取締役社長は、「失敗を恐れず挑戦できる土壌(実験場)として位置付けている」と述べた。鈴木氏は、自身の起業時に「一緒に世界に出て行こうという人が周りにあまりいなかった」ことから、共創や交流の促進を意識してきた。記念式典のあいさつでは「熱量を持った方々を集めれば、そこで必ず新しい発想、新しいビジネスの化学反応が起こる」と意気込みを語った。
「神社Cheers」には、旧教室を改装したジムや図書館を設置。また、牡蠣殻(かきがら)を再利用した内装材「シェルインオイスター」を使用している。同施設は海に近いことから、海洋や海産物に関する研究、スタートアップとの協力も視野に入れる。
今回、同施設に入居した、機能性和菓子を開発するFUKURA.FUKURA
(愛知県名古屋市)は、この春シンガポールにも拠点を構え、和菓子を通じて海外と三重県をつなげようと意気込んでいる。グローバル展開を目指すスタートアップの入居により、世界を意識した交流の場や新たな共創も期待される。
(注)第1期は2020年から2025年の期間となり、中部経済連合会、名古屋大学、愛知県、名古屋市、浜松市などで構成される。広域産学官金が連携し、ジェトロと協働してスタートアップへの集中支援に取り組んでいる。
(渡辺広樹)
(日本)
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