北京モーターショー、北京汽車とCATLが電池交換技術で連携

(中国)

上海発

2026年05月08日

中国の国有企業である北京汽車集団(北汽集団)と車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)および電池交換事業を手掛けるCATL子会社の時代電服は4月25日、電池交換およびエネルギー分野における戦略的協力枠組み協定を締結したと発表した。3者は、北汽集団傘下の自動車ブランドとCATLの電池交換技術の融合を通じて交換式電池対応車両の開発、超高速充電と電池交換を組み合わせた「超換一体型」給電ネットワークの構築、電池の全ライフサイクル管理などの分野を中心に協力を深めていく。

協定締結に先立ち、4月24日に開幕した北京モーターショーでは、北汽集団傘下の極狐(ARCFOX)がCATLのチョコレート型電池技術(注1)を搭載した純電動セダン「ARCFOX S3」換電版の予約販売を開始した。同モデルは99秒で電池交換が可能で、CLTC方式(注2)による航続距離は535キロメートルとされる。電池はレンタルとなるため、車両購入にかかる初期コストを削減できるほか、電池の終身保証および終身アップグレードも提供する。

また、CATLは同25日、奇瑞汽車(Chery)など複数の自動車メーカーとも協定も締結した。各社は超高速充電と電池交換を組み合わせたネットワークの整備や、グリーンエネルギー・エコシステムの共同構築などの分野に協力を進める方針で、新エネルギー自動車産業の高度化を共同で推進することで合意した。

CATLによると、同社のチョコレート型電池に対応した交換ステーションは、2026年4月時点で、99都市に累計1,470カ所以上設置されている。2026年末までに、全国の設置地域は約190都市、設置数は3,000カ所に拡大する見込みだ。

また、中国における車載電池の発展の方向性について、中国科学院の院士である欧陽明高氏は、将来的にはエネルギーシステムが「太陽光発電・蓄電・充電・電池交換を一体化した体系(光・蓄・充・換一体化)」へと発展していくと指摘する。さらに、超急速充電は、リチウム析出防止のため電流の動的制御が必要である一方、電池交換は商用車、特にトラックに適しているとし、両者はそれぞれ異なるニーズに対応する技術であるとした(「汽車観察」2026年4月号)。

写真 北京モーターショーのCATLブースに展示されたチョコレート型電池の交換ステーション(ジェトロ撮影)

北京モーターショーのCATLブースに展示されたチョコレート型電池の交換ステーション(ジェトロ撮影)

写真 北京汽車のブースに展示された「ARCFOX S3」(ジェトロ撮影)

北京汽車のブースに展示された「ARCFOX S3」(ジェトロ撮影)

(注1)CATLが開発した電池交換に対応する標準化電池の規格。車両と電池を分離する方式を前提に、短時間での電池交換や電池の共通利用が可能。

(注2)中国が策定した乗用車の燃費・電費および航続距離を評価するための試験基準。実際の都市走行を想定した走行パターンを用いて測定される。

(宋青青)

(中国)

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