キャンベラで日・オーストラリア首脳会談、経済安保・エネルギー協力を強化
(オーストラリア、日本)
シドニー発
2026年05月13日
高市早苗首相とオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は5月4日、首都キャンベラで首脳会談を行い、経済安全保障、エネルギー、防衛、重要鉱物分野での協力強化で一致した。両首脳は「経済安全保障協力に関する日豪共同宣言
」に署名し、信頼性の高いサプライチェーン構築や、重要技術分野での連携を進める方針を確認した。同宣言は、2022年の日豪安全保障協力共同宣言(2022年10月28日記事参照)を補完し、経済分野での協力を戦略的に位置付けるものとされた。日豪友好協力基本条約の署名50周年を踏まえ、両国関係を次の段階へ発展させる重要性を共有した。
アルバニージー首相は同日の声明で、日本との関係は「これまで以上に強固だ」と述べ、エネルギー供給や経済安全保障における協力の重要性を強調した。高市首相は会談後、日豪関係を「準同盟国」と表現し、安全保障と経済安全保障の連携強化を訴えた。両首脳は液化天然ガス(LNG)の安定供給や重要鉱物分野での投資促進に加え、経済的威圧など不測事態を念頭に置いた協議と情報共有の重要性でも一致した。
防衛面では、日豪安全保障協力共同宣言や2023年発効の相互アクセス協定を基盤に、共同訓練や防衛産業分野での協力を深化させる方針を確認した。加えて、人工知能(AI)や量子技術など先端分野での連携を通じ、インド太平洋地域の安定と強靭(きょうじん)性に貢献していく姿勢を確認した。
重要鉱物分野では、レアアースやリチウムを経済安全保障上の重要資源と位置付け、官民連携による供給網強化を進める方針を確認した。そのため、日本は、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による投融資支援を行う。一方、オーストラリアは、輸出金融公社(EFA)を通じて、日本企業が関与する案件を支援する。支援規模は最大約13億オーストラリア・ドル(約1,469億円、豪ドル、1豪ドル=約113円)となる見通しで、調達先や加工拠点の多様化を進める方針だ。
オーストラリアの主要メディアは、今回の会談を通じて、両国が経済協力と安全保障の両面で連携を強化したと評価している。公共放送ABC(5月4日付電子版)は、両国がエネルギーや重要鉱物分野での協力を通じて経済安全保障を含む協力を深め、不確実性が高まる国際情勢の下で、こうした緊密な関係が地域の安定にとって重要であるとの認識を共有したと報じた。
(ストーリー愛子)
(オーストラリア、日本)
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