トルコ、2025年の合計特殊出生率が過去最低
(トルコ)
イスタンブール発
2026年05月28日
トルコ統計機構(TUIK)が5月21日に発表したトルコ出生率統計
によると、2025年の年間の出生数は前年比4.78%減の89万5,374人、合計特殊出生率は過去最低の1.42だった。この出生率はEU加盟国27カ国(注1)と比べて比較的高い水準にあるが、2014年以降低下が続いており、人口維持に必要とされる水準2.10を9年連続で下回っている。
県別でみると、2025年の合計特殊出生率が最も高いのはシャンルウルファ(3.15)だ。シュルナク(2.53)、マルディン(2.23)が続き、いずれもシリア国境沿いの南東部に集中している。合計特殊出生率が3以上の県は2017年には10県あったが、2020年には2県に減少し、2022年以降、シャンルウルファのみとなっている。
一方、5月14日に発表されたTUIK若年人口統計によると、2025年の総人口8,609万2,168人のうち15~24歳の若年人口は1,270万8,348人と全体の14.8%を占めた(15~29歳では1,932万8,737人、全体の22.5%)。若年人口の割合は、1990年代以降減少傾向にあり、2025年は1945年以降で最低となった。TUIKの今後の予測では、現在の人口動態が続く場合、若年人口の割合は2030年に14.8%、2060年には10.3%まで低下すると見込まれている。地域別にみると、若年人口が最も高いのは出生率と同様、シャンルウルファ(20.4%)、次いでハッカーリ(20.0%)、シールト(19.8%)など南東部であり、低いのはバルケシル(11.7%)、オルドゥ(11.9%)、ムーラ(12.0%)のエーゲ海や黒海地方だった。
トルコ国内では、こうした背景として、家賃や教育費など近年の物価上昇が、結婚や出産の時期を遅らせる要因となっている可能性があるとする国内の見方もある。2025年のTUIK家族統計
では、単身世帯の割合が全体の20.5%(前年の割合20.0%)、非親族世帯も3.3%(3.2%)と前年からわずかに増加している。一方、核家族は62.7%(63.5%)と減少している。また、世帯別の貧困率をみると、単独世帯の9.8%、核家族の20.4%、大家族世帯の27.1%が貧困ライン以下で生活していることが分かる。
さらに、2026年のTUIK第1四半期労働力統計
では、15歳以上の失業者数は289万4,000人、失業率は8.2%だったが、15~24歳の若年層に限ると失業率が15.2%と高くなっている。加えて、広義での失業率指標を指す未活用労働力比率(注2)は30.4%に達しており、雇用環境の厳しさが浮き彫りとなっている。
(注1)EUに加盟しているキプロスは、トルコからは未承認。
(注2)日本の総務省によると、未活用労働力は、公式の(狭義の)失業者に加え、積極的に求職活動は行っていないものの就労意思があり就労可能な者(潜在的労働者)や、パートタイムを含む短時間労働者のうち、より長時間の労働を希望する者(時間的不完全雇用者)を含めた、広義の失業率の指標を指す。
(井口南)
(トルコ)
ビジネス短信 9b8cc688a7710745





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