ポーランド政府系企業と台湾フォックスコン、EV生産拠点の共同開発で合意
(ポーランド、台湾)
ワルシャワ発
2026年05月11日
ポーランド政府系で、国産電気自動車(EV)の生産・開発基盤構築を担うエレクトロモビリティー・ポーランド(以下「EMP」)は5月7日、電動モビリティーハブ建設プロジェクトにおいて、台湾の電子機器受託製造大手フォックスコン(鴻海精密工業)が戦略的パートナーとなることで合意に達した。ボイチェフ・バルチュン国有財産相が同日、記者会見で明らかにした。
発表によると、フォックスコンはEMPに対し主にEV生産に関する技術提供を行い、事業運営やプロジェクト推進はポーランド側が主導する。技術移転を通じて、ポーランド国内にEV生産能力を構築することを目的としている。将来的にはバッテリー工場建設も視野に入れ、部品・生産工程での国内比率の最大化を図る方針だ。
同プロジェクトは、当初計画されていた国産EVブランド「Izera」の量産計画とは異なり、製造・開発機能を集約した産業ハブの構築を軸とする新たなビジネスモデルに基づく。EMPは2025年12月に約8億ズロチ(約349億円、1ズロチ=約43.6円、5月8日付ポーランド国立銀行レート)の増資を受けており、加えて国家復興計画(KPO)から約45億ズロチの支援を受ける見通しだ。
EMPのチプリアン・グロンキェビチ最高経営責任者(CEO)によれば、工場はポーランド南部ヤボジュノに建設され、最初の量産車は2029年に出荷される予定。生産開始時点で国内調達比率を70%とする計画で、地域サプライヤーへの波及効果も見込まれる。
生産初期段階では、欧州市場向けに3車種のEVを投入する計画で、現代的で価格競争力を重視したモデル構成を想定している。EMPは、ヤボジュノのハブを単なる製造拠点にとどめず、エンジニア人材の育成、品質検証、製造工程のデジタル化を含む統合型の産業エコシステムとして発展させる方針だ。
なお、EMPは2016年に「Izera」構想の下で設立されたが、同計画はスケジュール変更を重ね、最終的にはブランド立ち上げから、生産・開発機能集積型モデルへと戦略転換が行われた。今回のフォックスコンとの提携は、同社の構想転換後における中核的な取り組みとして位置付けられる。
(金杉知紀)
(ポーランド、台湾)
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