アフリカでのエボラ出血熱流行を受け、米CDCが入国制限を実施
(米国、コンゴ民主共和国、ウガンダ、南スーダン共和国、ルワンダ)
ニューヨーク発
2026年05月21日
米国疾病予防管理センター(CDC)は5月18日、コンゴ民主共和国(DRC)とウガンダで発生したエボラ出血熱の感染拡大を防止するため、合衆国法典(USC)第42章(通称「タイトル42」)に基づき、入国制限などの予防措置
を発表した。「タイトル42」は、行政府に対して、入国者を経由した感染症の拡大を防止するため、移民の入国を制限する権限を与えている(注)。CDCは、米国の一般市民に対するリスクは低いと評価しているが、状況を注視する必要があると述べている。
CDCが発表した主な措置は次のとおり。これらの公衆衛生措置は即時発効し、30日間有効となる。
- 過去21日以内にウガンダ、DRC、南スーダンに滞在した非米国パスポート所持者の入国を制限。
- エボラ出血熱の流行地域から到着する旅行者に対する公衆衛生上のスクリーニングおよびモニタリングの強化。
- 航空会社、入国管理当局、相手国機関と連携し、エボラウイルスに曝露(ばくろ)した可能性のある旅行者の特定・管理。
- 米国内における港湾衛生保護対応活動、接触者追跡、検査能力、病院の対応体制の強化。
- 流行地域における感染拡大の封じ込めを支援するため、CDC職員派遣の継続。
CDCはまた、渡航制限を実施するため、米国務省および米国土安全保障省と連携している。国務省は今回の危機に対処するため、省庁間調整体制を設置するとともに、首都ワシントンにあるDRC、ルワンダ、南スーダン、ウガンダの大使館などとの連絡体制を強化した。また、DRCおよびウガンダと締結した覚書に基づき、緊急対応活動のために1,300万ドルを拠出した。
今回検出されたエボラ出血熱のブンディブギョ株は、2007年にウガンダで発生した希少な株で、現在広く利用されているワクチンや抗ウイルス薬では治療できないという。国連によれば、同株を基にDRCとウガンダで流行が続いており、2026年5月19日時点で感染が確定したのは30件だが、感染疑い例は500件、感染して死亡した疑いがある件数は130件にのぼる。DRCに滞在していた米国人1人が5月17日に陽性と判明し、治療のためドイツに移送された。 世界保健機関(WHO)は5月17日に「公衆衛生上の緊急事態
」に相当すると宣言している。
(注)新型コロナウイルスの感染が拡大した際にも、「タイトル42」に基づき、入国制限措置がとられた(2023年5月11日記事参照)。
(大垣ジャスミン)
(米国、コンゴ民主共和国、ウガンダ、南スーダン共和国、ルワンダ)
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