欧州最大級の水産展が開催、欧州市場への本格参入を目指す日本水産企業に広がり
(スペイン、日本)
マドリード発
2026年05月11日
欧州最大級の水産専門見本市「Seafood Expo Global 2026」が4月21〜23日、スペイン・バルセロナで開催された。報道によると、85カ国から2,290社超が出展し、3万5,500人超が来場した。過去最大規模の開催となった。ジェトロは17社・団体を集めたジャパンパビリオンを運営した。カキ・ウニ・ホタテ・マグロ・養殖ブリ・タイ・ノリなど多彩な日本産水産物を、EUにおける認証取得製品を中心に欧州バイヤーへ訴求した。出展者のうち6社・団体が初出展で、欧州市場への本格参入を目指す日本水産企業の裾野の広がりが見られた。
ジェトロが運営したジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)
欧州バイヤーが求める「価値提案力」
今回の展示会では、カルフール、リドル、メルカドナ、メトロなど欧州・国際市場の大手バイヤーが集結するキー・バイヤー・プログラム(注)の存在感が際立った。こうしたバイヤーが求めるのは良質な原料だけではない。安定供給・EU規制対応・トレーサビリティー・環境配慮を一体で説明できるかどうかが、商談成立の分かれ目となっている。品質・鮮度・衛生管理に強みを持つ日本勢にとって、商品そのものの輸出から価値提案全体の輸出へとシフトすることが、欧州での商機拡大に向けた実質的な課題といえる。また2026年は、養殖イノベーション専用ゾーンが新設された。養殖場の管理、魚の健康管理や水質処理に関して、人工知能(AI)を活用した水質分析や閉鎖循環式養殖システム(RAS)、極めて耐久性の高い給餌機器、精密な栄養科学など現場課題に直結する技術が集約された。養殖が食料供給の中核産業へと移行しつつある潮流を反映した構成となった。ジャパンパビリオンにおいても、ポリフェノール配合の特殊飼料で育てた養殖ブリ・タイを紹介するなど、単なる産地訴求にとどまらない品質差別化の動きを見せた。
ジェトロのジャパンパビリオンとは別に、日本養殖魚類輸出推進協会(JFFEA)も独自出展し、日本から航空便で輸送した鮮魚を現地で展示・商談する取り組みを実施した。毎年の積み重ねでブース面積も拡大しており、日本産養殖魚の欧州向け輸出モデルの実証事例として注目される。
日本養殖魚類輸出推進協会(JFFEA)のブース(ジェトロ撮影)
(注)主催者が招聘(しょうへい)した大手小売り・外食・卸売りバイヤーと出展者との商談マッチングプログラム。
(加賀悠介)
(スペイン、日本)
ビジネス短信 90600027f669057d





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