投資貿易産業省、EV完成車の輸入条件変更を発表、7月から適用

(マレーシア)

クアラルンプール発

2026年05月20日

マレーシア投資貿易産業省(MITI)は5月6日、電気自動車(EV)の完成車(CBU)のフランチャイズAP(輸入許可、注1)による輸入条件を、CIF価格最低20万リンギ(約800万円、1リンギ=約40円)かつモーター出力を最低180キロワット(kW)以上に変更すると発表した(MITIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、マレー語のみ)。2026年7月1日から適用する。

MITIのフランチャイズAPガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、現行条件はオンザロード価格(保険を除いた車両販売価格、以下OTR価格)が最低25万リンギ、かつモーター出力が最低200kW以上となっている(注2)。現地報道では、7月からの条件変更は実質的な規制強化と指摘されている。仮にCIF価格が20万リンギの場合、これに最低5%の輸入関税、10%の物品税、10%の売り上げ・サービス税(SST)が課され、さらにメーカー・販売代理店とディーラーのマージンが加算されるため、推奨小売価格は30万リンギを超える可能性がある。そのため、業界関係者は、輸入EV完成車市場では、中価格帯のモデルが排除され、ハイエンドモデル中心の市場構成になると予想している(ニュー・ストレーツ・タイムズ5月7日)。

なお、マレーシアではEV普及促進策として、2025年12月31日まで、EV完成車の輸入に対して関税および物品税を免除しており、対象はOTR価格最低10万リンギ以上のモデルだった。MITIによると、これらの免税措置は予定どおり終了した。一方、免除措置を適用して輸入したモデルについては、既存の在庫(ショールーム、港湾、輸送中を含む)が完全になくなるまで、従来の免除条件(OTR価格最低10万リンギ)を維持して販売できるとしている。

MITIのシム・ツェツィン副大臣は5月11日の記者会見で、今回の政策変更の目的について、外国自動車メーカーに対し、マレーシア国内での現地組立工場設立や、現地の受託製造業者やサプライヤーとの連携を奨励するためだと説明した(ザ・エッジ5月11日)。

(注1)フランチャイズAPとは正規自動車販売代理店に発給される輸入許可証。

(注2)2026年1月1日から、フランチャイズAPを取得したことがない新車種/モデルを対象に適用している。

(山口あづ希)

(マレーシア)

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