2025年の英国への長期純移民数、前年の約半分に減少
(英国、フランス)
ロンドン発
2026年05月26日
英国国家統計局(ONS)は5月21日、2025年の長期純移民数(注1)の暫定値が17万1,000人となり、前年の33万1,000人から約半分に減少したとの統計を公表
した。新型コロナ禍を除けば、同統計の対象期間である2012年以降で最低水準となる。長期純移民数減少の主要因は就労関連事由による非EU+(注2)国籍者の入国数減少(2024年の27万2,000人から約47%減少して2025年は14万6,000人)だった。また、英国から他国への長期出国者数(暫定値)は、2025年は64万2,000人で、2024年の68万人を下回った。非EU+国籍者の出国数増加の鈍化と、EU+国籍者の出国数が大幅に減少したことが主な要因だ。
内務省は同日、2025年度(2025年4月~2026年3月)の英国の難民申請者数は9万4,000人と、前年度比で12%減少したとの統計を公表
した。また、2026年3月末日時点の収容ホテルに滞在する難民申請者数は2万855人で、前年比で35%減少した。2023年9月のピーク時5万6,018人からは63%の減少である。政府は4月15日、新たに11カ所の難民収容ホテルの閉鎖を発表、滞在権のない移民の国外退去を増加させると同時に、ホテルからより簡素な宿泊施設へと移行する方針だ。
一方で、2026年度の小型ボートによる英国への到着者数は3万9,271人で、前年度比3%増加となった。内務省は、2025年7月にキア・スターマー首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領が合意した「ワン・イン・ワン・アウト」制度(注3)により、小型ボートで英仏海峡を渡ろうとする不法入国者の抑止を試みている。5月16日付の現地紙「ガーディアン」によると、本制度は6月11日までの実施とされていたが、10月1日まで延長することが両国間で合意された。
(注1)長期純移民数は、長期移民数(12カ月以上英国に滞在する者)から長期出国数(12カ月以上英国を離れる者)を差し引いたものを指す。
(注2)本統計においてEU+は、EUおよびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスを指す。
(注3)小型ボートで英国に到着した不法入国者をフランスへ強制送還する代わりに、同数の、不法渡航を試みていない、安全および適格性の審査を通過した者に対して合法的にフランスから英国への入国資格を与える制度。
(バリオ純枝)
(英国、フランス)
ビジネス短信 882b5d1f155c54c8





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