セイロン商業会議所が再エネ移行セミナー開催

(スリランカ)

コロンボ発

2026年05月18日

スリランカで再生可能エネルギーへの移行が加速している。セイロン商業会議所は5月8日、主催セミナー「スリランカにおけるエネルギートランジション」をコロンボ市内で開催し、政府が掲げる2030年までの再エネ比率70%達成に向けた進捗状況を共有した。同セミナーに登壇した公共事業委員会(PUCSL)のダミタ・クマーラシンハ委員長は「再エネ比率は2019年の35%から2026年には61%へ上昇し、輸入化石燃料への依存低減と電力価格の安定化に寄与している」と述べた。

PUCSLが2026年4月に公表した「再生可能エネルギー発電報告書(2025年第4四半期)」によれば、太陽光や風力、小水力などの非在来型再生エネルギー(Non-Conventional Renewable Energy:NCRE)は2025年末時点で総設備容量の49%を占めた。特に、屋根設置型太陽光の発電量が合計538ギガワット時(GWh)(再エネ発電総量の19%)と、前年比70%超の成長を記録するなど、需給構造にも変化をもたらした。一方で、大規模水力も再エネ発電総量の構成比59%を占める中核電源となっており、急成長する太陽光分野とともにコストおよび排出削減、そして国家のクリーンエネルギー目標達成に向けた着実な進展を実現している。他方で、民間投資拡大には課題も残る。再エネ開発者連盟のマンジュラ・ペレラ会長は、最大24機関による許認可を要するといった手続きの煩雑さや土地取得の遅延、電力購入契約(PPA)の融資適格性の低さを指摘した。

政府側では、エネルギー省のG.M.R.D.アポンス事務次官が登壇し、2025年電力法に基づきセイロン電力公社(CEB)の分社化を6月までに完了予定で、競争導入による効率化を図ると説明した。また、水素政策や電気自動車(EV)政策、蓄電池(BESS)政策の整備も最終段階にあり、スリランカ投資委員会(BOI)がグリーン水素・アンモニア事業の情報提供依頼(RFI)を6月5日まで募集していることなど、再エネ拡大と輸出産業化の両立を目指す取り組みを紹介した。

写真 セイロン商業会議所主催セミナーの様子。左から、再エネ開発者連盟のペレラ会長、PUCSLのクマーラシンハ委員長、エネルギー省のアポンス事務次官(ジェトロ撮影)

セイロン商業会議所主催セミナーの様子。左から、再エネ開発者連盟のペレラ会長、PUCSLのクマーラシンハ委員長、エネルギー省のアポンス事務次官(ジェトロ撮影)

(ラクナー・ワーサラゲー)

(スリランカ)

ビジネス短信 7d0e6510fd99f70f