米カリフォルニア州フリーモント市初のテックウィーク、人材育成などを議論

(米国)

サンフランシスコ発

2026年05月08日

米国カリフォルニア州フリーモント市で4月27~30日、同市初となるテックウィークが開催された。サンフランシスコ・ベイ大学の起業家支援拠点イノベート・ベイが主催した。起業家、学生、企業、行政関係者が集まり、初日はイーストベイ地域の産業や政策など複数の議題について議論が交わされた。

サンフランシスコ湾東岸地域南部に位置するフリーモントには、900社以上の先進製造企業が立地する。東京エレクトロン・アメリカなど、日系の半導体製造装置関連企業も拠点を置くほか、2026年1月には、電気自動車(EV)メーカーのテスラが、同市のフリーモント工場の一部をヒューマノイドロボット「オプティマス」の生産向けに再整備すると発表している。

製造機能が拡大する上で、現場を支える人材の確保について議論されたパネルセッションでは、防衛・宇宙向け半導体パッケージングをフリーモントで手掛けるゴールデン・アルトスCEO(最高経営責任者)のアレン・チョウ氏が登壇。半導体製造の海外移転により、米国では製造現場の知識や技能の継承が途切れていると述べ、工場誘致だけでなく、装置を扱い実践を積む人材の育成が不可欠だとの見方を示した。また、国際半導体製造装置材料協会(SEMI、注1)の非営利部門であるセミ(SEMI)財団は、課題への取り組みとして、同市周辺の公立コミュニティーカレッジや半導体関連企業と実施している製造装置の保守や生産工程を担う技術者の育成事業を紹介した。

エコシステムについての議論では、シリコンバレーで生まれた企業が、成長段階で拠点を広げる際、イーストベイ全体に対し心理的な壁が存在する課題が挙がった。フリーモント市の経済開発担当者は、これまで地元発スタートアップを育てる場が限られ、サンフランシスコ・ベイ大学とイノベート・ベイによる初のコワーキングスペース、そして学生起業家へのメンター支援が新たな接点になると期待を述べた。

同パネルでは、ニューアーク市は、橋を通じペニンシュラ地域に近い立地から、研究開発や試作の初期拡張先になり得ると示唆。リバモア市は、核融合スタートアップのパシフィック・フュージョンとローレンス・リバモア国立研究所(注2)の共同研究事例に触れ、研究開発機能を地域内のサプライチェーンと結び付ける環境構築の重要性を述べた。

写真 開会式で、フリーモント市の公式宣言書を手にするヤージン・ジャン副市長ら(ジェトロ撮影)

開会式で、フリーモント市の公式宣言書を手にするヤージン・ジャン副市長ら(ジェトロ撮影)

(注1)半導体関連企業で構成される国際業界団体。半導体製造装置、材料、関連サプライチェーン企業などが加盟し、人材育成、標準化、政策提言、「SEMICON West」などの展示会開催などに取り組む。

(注2)カリフォルニア州リバモア市に所在する米国エネルギー省傘下の国立研究所。国家安全保障、核融合、エネルギー、先端材料、計算科学などの研究に関わる。

(武田史織)

(米国)

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