進歩派指導者など多数参加の国際会合がバルセロナで開催
(スペイン、メキシコ、ブラジル)
マドリード発
2026年05月01日
4月17日から18日にかけて、バルセロナで進歩派を中心とする政党の指導者、活動家、思想家など3,000人余りが集結する国際会合「グローバル・プログレッシブ・モビリゼーション(GPM)」が初開催された。GPMは社会民主主義政党や社会主義政党などの国際組織である社会主義インターナショナル(SI)の議長を務めるスペインのペドロ・サンチェス首相と、欧州社会党(PES)(注)のステファン・ロベーン総裁の主導で企画。加えてブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が中心となって開催された。会合にはメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領やコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領ら現職首脳に加え、日本からは中道改革連合の小川淳也代表が参加した。
政治潮流が戦争や分断を助長するとして対抗姿勢示す
本会合では首脳レベルの「民主主義防衛サミット」も併催され、民主主義の防衛や多国間主義の強化、社会的不平等への対応などを軸に、極右・ポピュリズム勢力の台頭にグローバル規模で対抗する必要性が共有された。ルーラ大統領は「他国にルールを押し付ける権利はない」と一国主義的な国際秩序を批判し、サンチェス首相も「平和にはイエスを、戦争にはノーを」と発言するなど、政治潮流が戦争や分断を助長しているとして対抗姿勢を示した。
会期中、スペインとブラジルの初の首脳会談も実施された。両首脳は、民主主義、人権、法の支配の擁護といった共通の原則を再確認するとともに、重要鉱物、情報通信、科学技術、社会政策など幅広い分野での協力強化で合意した。さらにサンチェス首相はメキシコのシェインバウム大統領とも会談した。スペインとメキシコの首脳会談は約8年ぶりで、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール前政権期に冷え込んだ両国関係の修復を印象付けるとともに、メキシコが今回の進歩派ネットワークに加わったことは、従来の慎重姿勢からの変化としてスペインでは受け止められている。こうした一連の会談は、スペインを接点とした欧州と中南米の関係強化の流れを示す場ともなった。
また今回のGPMは、進歩派の国際的な結集を主導するサンチェス首相の存在感も示す機会となったといえる。対内的には、サンチェス首相の左派における求心力の維持につながったと評価される一方、野党や保守系メディアからは、国内課題を抱える中で政治的演出の色彩が強いとの批判も出ている。
(注)欧州社会党(PES)は、EU加盟国、英国、ノルウェーの中道左派・社会民主主義政党から構成される欧州レベルの政党グループ。欧州議会においては、S&Dグループとして活動する。
(伊藤裕規子)
(スペイン、メキシコ、ブラジル)
ビジネス短信 777b6a8707143b56





閉じる