中国、雇用促進に向けたアクションプランを発表

(中国)

北京発

2026年05月26日

中国国務院の就業促進・労働保護指導グループは5月18日、「雇用の安定・拡大・質の向上に向けたアクションプラン」に関する通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は4月30日付)。同アクションプランは産業と就業の連携を強化することで、質の高い完全雇用の実現を目指すもので、大卒者、農民工、退役軍人などの重点グループに対する就業・創業支援を全力で推進するとした。

アクションプランでは、(1)重点産業の雇用安定化、(2)各分野における雇用創出潜在力の発掘、(3)雇用の質の向上、(4)着実な実施に向けた取り組みという4分野18項目の措置が盛り込まれた。

(1)では、「『専精特新』の小巨人」「製造業単一項目チャンピオン企業」(注1)の育成を通じて、製造業における雇用の安定化を図る。また、人工知能(AI)の活用による産業高度化を推進すると同時に、企業による配置転換やスキルアップ研修の実施を奨励し、労働者の雇用の維持・安定化を図る。さらに、外部環境の影響を受けやすい業種に対して、失業保険料の還付や技能向上補助金などの既存支援策を継続するとともに、宿泊・飲食業や建築業などにおいて、特色あるサービスの展開や都市機能の改善・新型インフラの整備を通じて、新たな雇用創出を促す。このほか、公的部門や国有企業の採用規模の維持を支援するとした。

(2)では、消費振興特別行動(2025年3月24日記事参照)の着実な実施、大型インフラ投資プロジェクトの推進、「新たな質の生産力」(注2)の育成を通じた雇用拡大を図るほか、介護、育児、家事サービスなどの民生分野における雇用創出を強化する。また、起業支援を通じて、創業による雇用創出を促進するとした。

(3)では、職業技能の向上や就業支援サービスの効率化を進めるほか、最低賃金や賃金ガイドライン制度の整備による所得の増加を図るとした。

中国の4月の都市部調査失業率は5.2%となり、前月から0.2ポイント低下した。他方、今後大学卒業生の就職シーズンを迎えることから若年層の雇用動向が注目される。教育部によると、今年の新規大学卒業者数は前年より48万人増加し1,270万人に達する見込みとなっている。

(注1)「専精特新の小巨人」とは工業情報化部が認定したもので、専門性を有し、精密な技術力を持ち、差別化され、革新的な有力中小企業。「製造業単一項目チャンピオン企業」とは、製造業における特定の製品分野に長期間携わり、国際的に優れた生産技術・製造工程を持ち、単一製品の市場シェアが世界で上位に位置する企業を指す。

(注2)イノベーション主導で、従来型の成長モデル・アプローチから脱却し、ハイテク、高効率、高品質を特徴とする先進的な生産力を指す。

(張敏)

(中国)

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