電子インボイス、9月1日から導入予定も一部の企業は準備不足の調査結果

(フランス)

パリ発

2026年05月19日

電子インボイスのプラットフォームを運営する公認会計士メディア協会(ECMA)は4月28日、フランス公認会計士会全国評議会(CNOEC)と共同で実施した、電子インボイス(e-invoicing)導入に向けた企業の準備状況に関する調査結果を発表した。この調査は、調査会社のオピニオン・ウェイ(OpinionWay)が2月に従業員250人未満の企業400社を対象に行ったもの。

フランスでは、2026年9月1日から電子インボイス(e-invoicing)の義務化が段階的に導入される。(1)企業の競争力強化、(2)付加価値税(VAT)申告の簡素化、(3)VATの不正防止強化、(4)企業の経済活動のリアルタイムでの把握および公共政策運営強化を目的とする。電子インボイスの送受信は、税務当局の認可を受けた民間プラットフォーム〔PA:Plateformes Agréées、リスト(フランス語)参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕を通じて行われる。

同調査によると、電子インボイス制度の導入自体は広く認知されているものの、2月時点で38%の企業が準備を進められていないと回答した。また、電子インボイスの送受信に必要なプラットフォームを選定済みと回答した企業は35%にとどまった。

電子インボイスの対象となるのは、フランスのVATの課税対象となる全ての企業および個人事業主。適用対象はフランスに設立されたVAT課税対象企業間(BtoB)の商品売買およびサービス提供の国内取引。送信義務の開始は、大企業(注1)および中堅企業(注2)が2026年9月1日から、中小企業(注3)および小規模企業(注4)は2027年9月1日からとなる。一方、受信義務は、企業規模にかかわらず2026年9月1日から一律で適用される。

電子インボイスには、従来のインボイスの情報に加えて、顧客の企業識別番号(SIREN)、当該インボイスの取引類型(物品かサービスか)、サービス提供企業がインボイス発行時点でVATを納付することを選択した場合の記載、請求先と異なる場合の納品先の情報の4項目を追加記載する必要がある。また、発行日から6年間の保存義務が課される。

さらに、VAT課税対象企業は、電子インボイスの適用対象外となるBtoC取引や外国企業との取引についても、取引金額やVAT額などを税務当局へ電子的に報告する義務を負う。電子報告(e-reporting)もプラットフォームを通じて行われ、電子インボイスの送信義務と同じスケジュールで導入される。

電子インボイスの義務化は、2022年補正予算法26条により規定され、当初は2024年7月に施行が予定されていたが、企業の準備遅延を踏まえ、充分な移行期間を確保するために延期されていた。

(注1)従業員数5,000人以上または売り上げ15億ユーロ以上で総資産20億ユーロ以上

(注2)従業員数250~4,999人で、売り上げ15億ユーロ未満あるいは総資産20億ユーロ未満

(注3)従業員250人未満で、売り上げ5,000万ユーロ未満あるいは総資産4,300万ユーロ未満

(注4)従業員10人未満で、売り上げあるいは総資産200万ユーロ未満

(クロティルド・クニッグスドーファー、奥山直子)

(フランス)

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