ロシア中銀、政策金利を14.5%へ引き下げ

(ロシア)

調査部欧州課

2026年05月01日

ロシア中央銀行は4月24日の金融政策決定会合で、主要政策金利(キーレート)を15.0%から14.5%に引き下げ、27日付で適用した(添付資料図参照)。

エリビラ・ナビウリナ総裁は記者会見で利下げの理由について、需要は経済の供給能力とほぼ一致しているが、インフレ率は引き続き目標を上回って推移していると説明した。基調的な物価上昇率は年率4~5%のレンジにとどまっており、中東情勢やロシア政府の財政政策を巡る不確実性を背景にインフレ上振れリスクが高まっていることから、今後はより慎重かつ抑制的な判断が必要になるとの認識を示した。

経済動向について中銀は、2026年第1四半期の経済活動は、税制変更への適応や前年と比べ1~2月の営業日数が少ないことや、天候不順などの一時的要因により減速したと指摘した。ナビウリナ総裁は、これらの要因は今後解消され、消費や投資活動は徐々に持ち直すとの見方を示し、2026年の実質GDP成長率見通しを0.5~1.5%に据え置いた。

同総裁は労働市場について、企業の採用意欲や賃金引き上げ計画に抑制の動きがみられ、人手不足感は徐々に緩和しているとした。中銀は失業率が引き続き歴史的低水準にあり、賃金の伸びは労働生産性を上回る状況が続いていると指摘した。

外部環境について同総裁は、中東情勢が世界経済や資源・物流コストに不確実性をもたらしていると指摘した。原油など国際商品価格の上昇は輸出収入を押し上げるが、その為替市場への影響は財政ルールに基づくオペレーション(注)により相殺され、ルーブル相場の安定要因になるとの見解を示した。

中銀は2026年のインフレ率を4.5~5.5%と見込み、2026年後半には基調インフレが4%近辺に低下すると予測する。今後の金融政策については、インフレ減速の持続性やインフレ期待、内外のリスク動向を慎重に見極めながら、追加的な利下げの必要性を検討するとした。同総裁は、今後の政策金利の決定は、情勢の展開やリスクの動向に左右されるとの認識を示した。

次回の金融政策決定会合は6月19日に予定されている。

(注)原油価格が基準を上回った場合に、予算に計上される追加的な石油・ガス収入を外貨購入・積み立てに回すことで、為替や景気の変動を抑制するロシアの財政運営上の仕組み。市場動向などにより、運用の停止や調整が行われる場合もある。

(小野塚信)

(ロシア)

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