ジェトロ、モンゴル投資フォーラム開催、再エネ・金融分野の協力に焦点

(モンゴル、日本)

調査部中国北アジア課

2026年05月25日

ジェトロは515日、モンゴル政府高官が来日する機会を捉え、在日モンゴル大使館、モンゴル投資貿易庁(ITA)との共催で、モンゴル投資フォーラムを東京で開催した。フォーラムには日本側、モンゴル側合わせて200人超が参加した。

開会あいさつで、モンゴルのトグミド・ドルジハンド副首相は、「今回のフォーラムは、エネルギーと金融に焦点を当てたことに意義がある。政府は地下資源のみならず地上の再生可能エネルギー利用も政策の核としている(注1)。日本の高市(早苗)首相が唱えるパワーアジア(注2)を支持する」と述べた。

写真 モンゴル副首相ドルジハンド氏による開会あいさつ(ジェトロ撮影)

モンゴル副首相ドルジハンド氏による開会あいさつ(ジェトロ撮影)

また駐日モンゴル大使のバンズラグチ・バヤルサイハン氏は、2027年は日モンゴル国交樹立55周年であり、記念イベントを開催予定であることに言及。また、2025年7月に天皇皇后両陛下が国賓として訪問されたことは、共通の価値観を有する両国の歴史の金字塔として刻まれたとした。

ジェトロの高島大浩理事は「日本とモンゴルは、幅広い経済分野で長年協力を積み重ねてきた。モンゴルは日本経済にとって重要なパートナーであり、その関係は着実に進化している。2026年3月にジェトロが派遣したミッション(2026年4月21日記事参照)に参加した日本企業からは、モンゴル企業との連携や人的交流の拡大を望む声が多く寄せられた。両国の交流が新たな発展段階に入っていることを示している」と述べた。

また同フォーラムでは、モンゴルのエネルギー・金融分野の投資政策やビジネス環境を紹介する講演・パネルディスカッションを開催した。ITAのビレグト・ザンダン長官は、若年人口の多さや、年間300日以上の晴天といった豊かな自然条件に支えられた再生可能エネルギー分野の高い潜在力など、モンゴルの投資可能性・経済環境について説明した。またITAは、投資促進・輸出支援を行う副首相直轄の政府機関であり、ジェトロのようなワンストップサービスセンターを提供し、投資家向けサービスを提供していると紹介した(注3)。

その他、モンゴル政府関係者などからエネルギー・金融分野における最新の投資環境や、グリーン水素、再生可能エネルギーなど重点分野、関連する政策やインセンティブについて説明があった。さらに、モンゴルの投資環境が抱える課題や、系統接続の技術基準や土地許認可の明確化など具体的なプロジェクトにおいて日本の投資家がモンゴルに求める要件、金融関連企業がモンゴルで投資を行う際のメリットなどについて、活発なディスカッションが行われた。

(注1)モンゴルは豊富な天然資源を背景に成長を続ける一方、近年は長期国家戦略「ビジョン2050」の下、再生可能エネルギーの導入拡大や金融・資本市場改革を通じた経済多角化を国家的に推進している。

(注2)2026年4月15日に開催された、エネルギー強靭(きょうじん)化に関するAZEC+オンライン首脳会合において、高市首相が発表した「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」の通称。AZECとは、「アジア・ゼロエミッション共同体(Asia Zero Emission Community)」の略。

(注3)ITAの公式サイトによると、「Invest in Mongolia」ワンストップサービスセンター(OSSC)は2019年2月に開設され、法人登録、社会保険、税務、出入国管理など各機関の行政サービスに加え、在モンゴル外国投資企業に関連するその他の省庁および公共機関のサービスを、シングルウィンドウ方式により一括して提供している。

(和田拓己)

(モンゴル、日本)

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