移民受け入れで中東諸国上位、国際送金が増加、国際移住機関(IOM)報告
(中東、アフリカ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、トルコ、イラン、エジプト、インド、米国)
調査部中東アフリカ課
2026年05月19日
国際移住機関(IOM)が5月5日に発表した「2026年版世界移住報告書」
によると、国際的な移民(注)は世界人口の約3.7%にあたる3億400万人との推定だ。
2024年時点の移民受け入れ累計数は米国が首位、ドイツが2位、サウジアラビアが3位だった。その他中東諸国で上位にあるのは、アラブ首長国連邦(UAE)が世界8位、トルコが11位、ヨルダンが13位、イランが17位、クウェートが20位だ。湾岸産油国では労働者の受け入れ、トルコ、ヨルダン、イランでは難民の受け入れなどが多い。移民出身国ではインドが最多で、中東アフリカをみるとシリアが6位、エジプトが12位、スーダンが19位だった。
移民数が多い出身国と受け入れ国の組み合わせは次のとおり。
- 1位:メキシコから米国
- 2位:アフガニスタンからイラン
- 3位:シリアからトルコ
- 4位:ロシアからウクライナ
- 5位:インドからUAE
(中東アフリカ関連順位)
- 10位:バングラデシュからサウジアラビア
- 13位:イエメンからサウジアラビア
- 14位:インドからサウジアラビア
- 15位:パキスタンからサウジアラビア
- 18位:ブルキナファソからコートジボワール
移民割合は湾岸諸国で高い、移民労働者と送金が増加
2024年時点で、人口に占める移民割合はカタールが最も高く76.7%、UAEが74.0%で続いた。世界の中でも、湾岸協力会議(GCC)6カ国は移民受け入れ割合が高い。
世界各国の人口に占める移民割合上位国は次のとおり。
- カタール:76.7%
- UAE:74.0%
- モナコ:70.2%(欧州)
- リヒテンシュタイン:69.4%(欧州)
- クウェート:67.3%
- アンドラ:59.1%(欧州)
- バーレーン:52.3%
- ルクセンブルク:51.2%(欧州)
- シンガポール:48.7%(アジア)
- オマーン:43.2%
- ヨルダン:45.7%
- サウジアラビア:40.3%
報告書によると、世界の移民労働者は1億6,770万人だった。2013年から2022年までの10年間で3,000万人以上増加したという。国際送金も増えており、2024年は9,050億ドルとの推計で、うち6,850億ドルが低・中所得国向けだ。国際送金は政府開発援助(ODA)と対内直接投資(FDI)の合計額を上回ったという。
2024年の送金先国は、インドが首位で1,377億ドル、アフリカをみるとエジプトが7位で296億ドル、ナイジェリアが10位で213億ドルだ。送金元国は、米国が首位で1,032億ドル、サウジアラビアが2位で466億ドルだった。中東では、クウェートが9位で142億ドルなど移民受け入れが多い国が上位につけた。
なお、同報告によると、2024年の年間の国際的な避難民は3,690万人だった。シリア、アフガニスタン、ウクライナで500万人を超えており、南スーダン、スーダンは200万人を超えた。受け入れ国はアフガニスタン難民などが多いイランが350万人で最多、シリア難民などが多いトルコは290万人で、ドイツ、ウガンダ、パキスタンと続いた。
(注)国連経済社会局人口部は国際的な移民について、本来の居住国を変更した人々全てと定義している。定義の居住期間などは各国の統計など参照元データによって異なる。
(井澤壌士)
(中東、アフリカ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、トルコ、イラン、エジプト、インド、米国)
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