4月の米消費者物価指数、エネルギー価格上昇に伴いインフレリスク高まる
(米国)
ニューヨーク発
2026年05月13日
米国労働省が5月12日に発表した2026年4月の消費者物価指数(CPI)
は前年同月比3.8%上昇(前月3.3%上昇)、前月比0.6%上昇(前月0.9%上昇)となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も、前年同月比では2.8%上昇(前月2.6%上昇)、前月比では0.4%上昇(前月0.2%上昇)と伸びが加速しており、中東情勢の影響が広がりを見せ始めている(添付資料図1、表参照)。CPI、コア指数ともにわずかながら市場予想を上回った。
品目別に前月比での伸びをみると、ガソリン価格は5.4%上昇(前月21.2%上昇)と前月に続き上昇傾向が続き、電気料金(2.1%上昇)などエネルギーサービスも高めの伸びを示した結果、エネルギー全体では3.8%上昇(前月10.9%上昇)となった。また、食料品価格も0.5%上昇(前月0.0%上昇)と上昇した。牛肉以外にも野菜・果物、乳製品など幅広いカテゴリーで価格上昇が確認でき、輸送コストの上昇などが価格に転嫁されたとみられる。
これらを除いたコア指数では、財(0.0%上昇)は前月から伸びていないものの、サービス(0.5%上昇)は伸びが加速した。このうち住居費(0.6%上昇)については、統計処理上のテクニカルな要因(注1)が寄与したもので一時的な上昇となる見込みだが、これを除いたスーパーコアサービス(注2)の数値でも0.4%上昇(前月0.2%上昇)と伸びが加速している。航空運賃(2.8%上昇)以外にもいくつかのサービスが上昇の兆しを見せており、今後どの程度、財やサービスに波及していくのか注視する必要がある。
前年同月比でも、エネルギー価格や食品価格の上昇などがインフレ率を押し上げている構図は引き続きみられ、CPIは前年同月比3.8%上昇と、2023年9月ごろに相当する高い伸びとなった(添付資料表、図2参照)。この結果、4月は平均時給の伸びをインフレ率が上回り、前年同月比でみた実質賃金の伸び(注3)は2023年4月以来初めてマイナスに転じた。
インフレの上振れリスクが顕著に意識されるようになっており、今後の金融政策にも影響を与える可能性が高そうだ。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の調査
では、市場参加者の中で2026年内の利下げを織り込んでいる者は極めて少数で、3割を超える者が1回以上の利上げを見込んでいる。連邦準備制度理事会(FRB)は新たにケビン・ウォーシュ氏の議長承認手続きが進んでおり、6月会合以降は新体制で金融政策が議論されることとなるが、利下げへの道筋は見通しは立っていない。
(注1)帰属家賃・賃料指数は6カ月分の調査を基に算出される。2025年10月の調査欠損の影響で伸びが抑制されていたが、2026年4月はその反動で一時的に押し上げられた。
(注2)サービス価格から住居費とエネルギーサービスを除外した指標。ジェトロにおいて計算。
(注3)平均時給の伸びからCPIの伸びを差し引いた数値。
(加藤翔一)
(米国)
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