無人車自動充電・運営センター「来電島」が運用開始

(中国)

青島発

2026年05月20日

中国の自動運転車メーカーの新石器(Neolix)と、電気自動車(EV)向け充電設備製造・充電システム運営大手の特来電(TELD)は5月8日、無人車専用の自動充電・運営センター「来電島」の運用を山東省青島市で開始したと発表した。「来電島」は、充電ロボット、駐車ロボット、人工知能(AI)エージェントによる新たな運営システムを構築し、自動駐車や自動充電、自動洗車、スマートメンテナンス、さらには仮想発電所(VPP)など複数の機能を果たすもの。発表資料では「来電島」の技術、製品、運営システムはいずれも世界初の試みであるとし、無人産業のフルバリューチェーンにおける全プロセス自動化(クローズドループ)を実現したとしている。

背景には、都市物流における無人配送の急速な普及がある。新石器によれば、青島市などの都市では、新石器の無人配送車による即時配送モデルが既に確立され、大規模化も進んでいる。また海外市場でも、同社の無人配送車はアラブ首長国連邦(UAE)、タイ、シンガポール、日本、韓国など約20の国・地域に進出しており、2026年にはUAEだけで1万台の導入を目指すなど、現地の物流輸送を支えている。

一方で、無人配送車の発展に伴い、業界ではインフラのサービス能力や運営効率に対する要求もさらに高まっている。特来電によると、従来は作業員が車両に随行して手動で充電プラグを抜き差ししていたほか、配車運営や点検・保守などにも多大な人件費がかかり、大規模化が難しいという課題があった。また、都市の中心部で大量の無人車を駐車・充電できる適切な用地の確保も困難であった。「来電島」は、まさにこうした業界の共通課題に対する体系的なソリューションであるとした。

今回発表された「来電島」は、100台分の駐車スペースを備えた3層構造の立体駐車場であり、1台の自動駐車ロボットと100台の自動充電ロボット、そしてAIエージェントで構成される。250キロワット(kW)の出力に対応し、1台当たり20分でフル充電が可能で、施設全体では1時間で90台分の充電能力を持つ。

また、特来電がもつ既存7万カ所の公共充電ステーションを「中継島」と呼び、その改修・増築を進めることで、合計1,000台の無人車の自動充電および無人運営を支えることができるという。全プロセスの自動運営により、大幅なコスト削減が期待される。

特来電によると、今後3年間で中国国内の主要100都市において300カ所の「来電島」と3,000カ所の中継拠点を整備し、5万台の自動充電ロボットを配置して、計30万台の無人車にサービスを提供する計画だ。また、海外においても10都市に30カ所の「来電島」を展開し、中国発の産業標準のグローバル展開を目指す構えだ。

(董玥涵)

(中国)

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