「BIOINNOVASIA 2026」、バイオマス燃料としてのペレットに関する企業の取り組みを紹介

(日本、マレーシア、オーストラリア)

調査部米州課

2026年05月20日

東京都内で5月12~14日に、「BIOINNOVASIA 2026」が開催された。本カンファレンスは、アジア地域におけるバイオマスおよびバイオマスエネルギーの活用や技術革新を促進し、持続可能な社会への移行について議論する場として2024年から開催されている(注1)。

13日に開催された「ブラックペレット生産の拡大(Scaling Black Pellet Production)」のパネルでは、バイオマス燃料としてのペレットの市場性や、開発・製造に携わる企業による取り組みが照会された。

マレーシアに拠点を有し、木材や農業残渣(ざんさ)からバイオマス燃料を製造するための工場設備を設計・建設するTree houzのタン・エン・ハウ氏は、日本におけるFIT制度(固定価格買い取り制度)導入に伴うペレットの需要増加を踏まえ、自社の取り組みを紹介した。

日本では2012年以降、再生可能エネルギーの普及を目的として、再エネで発電した電気を電力会社が10年または20年間、国が定めた固定価格で買い取る、いわゆるFIT制度が導入されている(注2)。ハウ氏は、FIT制度の導入に伴い、日本におけるペレットの輸入が急増しており、輸入相手国の1つがマレーシアであると紹介した。マレーシアはパーム油の主要生産拠点で、その製造過程で発生する副産物を活用したペレットを含むバイオマス燃料の製造が活発だ。日本がマレーシアから輸入するペレットの多くは木材由来の木質ペレットだが、ハウ氏は、将来的な、パーム油の副産物由来であるパーム系ペレットの日本向け輸出増加にも期待を寄せた。

オーストラリアに拠点を有する、バイオマスプラントの大手エンジニアリング企業ANDRITZのマクシミリアン・レア博士は、同社が技術開発を手掛けるブラックペレットについて紹介した。ブラックペレットは、木質バイオマスを高温処理して炭化・改質したペレットで、石炭の代替燃料として注目を浴びるバイオマス燃料。レア博士によると、従来の木質ペレットと比較して高いエネルギー密度を有し、効率的に燃焼させることができる新たなエネルギー資源として注目されている。また、従来の木材ペレットは水分に弱いという特徴があったが、ブラックペレットは耐水性が強化されたため、従来の木質ペレットの輸送や保管に係る費用を削減することも可能と強調した。レア博士は、まだ技術的な課題は多いため実用化に至るには時間を要するが、非常に将来性の高い燃料である、と述べた。

(注1)BIOINNOVASIAは、Centre for Management Technology(CMT)が運営するバイオマスに関連するカンファレンス。CMTは、シンガポールに拠点を有し、エネルギー、バイオマス、石油化学などの分野で世界各地でカンファレンスを開催している。BIOINNOVASIAは、2024年に初回が東京で開催された。今年は3回目の開催。

(注2)FIT制度の詳細は、資源エネルギー庁のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(辻本希世)

(日本、マレーシア、オーストラリア)

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