政府が2026年度からの5カ年計画を承認、投資主導の成長目指す

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年05月26日

バングラデシュ政府は5月18日、タリク・ラフマン首相が議長を務める国家経済評議会で、第9次5カ年(2026/2027~2030/2031年度)計画を承認した。政府は投資の増加を原動力に、2030年までに1,000万人の新規雇用を創出し、2034年までに経済を1兆ドル規模に発展させることを目指す。また、今回の計画は(1)経済の地方分権化、(2)規制緩和およびビジネス環境の改善、(3)投資主導の成長、(4)均衡のとれた地域開発、(5)普遍的な社会保護、(6)雇用創出および技能開発、(7)グッド・ガバナンスと組織改革の7つの柱で構成されており、いずれも与党バングラデシュ民族主義党(BNP)が2026年2月の総選挙前に発表した公約外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの内容を色濃く反映している。

政府は初めの1年間は脆弱(ぜいじゃく)な経済の安定化に注力し、不必要な歳出を削減すると同時に、インフレの衝撃から社会的弱者を守るためのセーフティーネットを強化する方針だ。5カ年計画の2~3年目には、投資の活性化に焦点を当て、規制上の障壁の除去を通じた資金調達機会の拡大により、民間部門の信頼を回復させる。4~5年目の2年間は、成長の加速が最優先課題となる。気候変動に対応したエネルギー・交通・デジタルインフラの整備により、事業活動コストを削減し、製造業および高付加価値分野で輸出基盤を拡大する。また民間投資が経済成長を牽引し、外国直接投資(FDI)の対GDP比率を2.5%まで引き上げることを目標とする。

人材育成の観点では、職業教育訓練(TVET)を近代化し、2030年までに教育全体の25%を占めるようにする。インターンシップの義務化とキャリアカウンセリングセンターの導入を通じ、教育成果と市場需要の合致を図る。また、教育は暗記中心の指導法から、継続的な専門能力開発やデジタル教育法に関する研修へと転換する。

クリエーティブ産業も新たな注力分野となる。Z世代およびアルファ世代の若者約20万人がデジタルやクリエーティブアーツ分野でスキルを磨ける環境を用意するほか、全国64地区に拠点を擁するバングラデシュ・クリエーティブ開発庁を設立する。さらに、「クリエーティブ・イン・バングラデシュ」ブランドを立ち上げ、ネットフリックス、アマゾン、ディズニープラスなどの世界的なストリーミングプラットフォーム向けに、バングラデシュの映画や番組が100本制作される予定だ。

2026年2月の総選挙で選ばれた新政権は、自ら策定した予算・計画を基に、7月からの新年度を迎える。成果もより一層問われることになりそうだ。

(片岡一生)

(バングラデシュ)

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