ギリシャ、イオニア海で2027年に天然ガス試掘開始へ

(ギリシャ、米国、スウェーデン)

ミラノ発

2026年05月14日

ギリシャで4月15日、スタブロス・パパスタブロウ環境・エネルギー相立ち会いの下、イオニア海(注)北西沖の第2鉱区における天然ガス探査掘削契約が締結された。同契約は、米国石油メジャーのエクソンモービル、およびギリシャのエネルギー大手ヘレニック・エナジーとのコンソーシアムを率いる欧州独立系エネルギー企業エネルジアンと、スウェーデン資本の多角事業企業ステナ傘下の海洋掘削会社ステナ・ドリリングとの間で交わされた。

同鉱区の「Asopos 1」地点を対象とする本プロジェクトは、約半世紀ぶりのギリシャにおける沖合探査掘削であり、投資額は約7,000万ユーロ規模となる。試掘は2027年2月中旬に開始予定で、最新鋭の掘削船「Stena DrillMax」が投入される計画だ。

契約締結の式典には、エネルジアンのマティオス・リガス最高経営責任者(CEO)、ステナ・ドリリングのエリック・ロンスバーグCEO、ヘレニック・エナジーのアンドレアス・シアミシスCEOのほか、米国およびスウェーデンの駐ギリシャ大使も出席した。

エネルジアンの技術チームによる地質データ分析によると、成功確率は16%だが、2,000億立方メートルの天然ガスの掘削を目標としており、ギリシャの天然ガス年間消費量が約60億〜70億立方メートルであることを踏まえると、ギリシャ経済や雇用、国民生活にとっても重要なプロジェクトとなる。パパスタブロウ環境・エネルギー相は、「Asopos 1地点での商業的な開発が可能となれば、ギリシャは経済発展と地政学的影響力において飛躍を遂げる。また、利益の少なくとも40%は国庫に還元され、公的収入も大幅に増加する」と期待を表した。

キンバリー・ギルフォイル駐ギリシャ米国大使は、同契約について「現在および将来にわたってエネルギー安全保障を強化し、供給源の多様化を図るという共通のコミットメントを反映している。われわれの緊密な協力は、ギリシャの経済成長やギリシャが構築した透明性のある規制枠組みへの信頼、そして米国とギリシャの企業間の強固な関係に対する信頼を反映している」と述べ、信頼できるエネルギーパートナーおよび安定の柱としてのギリシャの役割の高まりについて強調した。

(注)ギリシャ半島(バルカン半島南部)とイタリア半島南部の間に位置する地中海の海域。

(井上友里、山本千菜美)

(ギリシャ、米国、スウェーデン)

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