国連が世界経済見通しを下方修正、貿易は伸び継続も投資は停滞へ
(世界)
調査部国際経済課
2026年05月21日
国連経済社会局(UN DESA)は5月19日に「世界経済状況・予測(中間アップデート)」(2026年報告書
)を発表(注、2026年5月20日記事参照)。2026年の世界経済成長率を2.5%、2027年の世界経済成長率を2.8%と予測した(添付資料表1、2参照)。それぞれ前回予測(2026年1月)から、0.2ポイント、0.1ポイントの下方修正となった。
国・地域別に2026年の成長率をみると、米国は前回予測から横ばいの2.0%だった。人工知能(AI)関連以外の投資が引き続き低調な一方、サービスに対する消費者支出が下支えした。中国も同じく横ばいの4.6%となった。政府支援が国内需要を下支えしているほか、エネルギーミックスが多様化しており湾岸諸国への原油の輸入依存も限定的であることから、現時点ではエネルギー・ショックの影響も相対的に低いとした。
報告書では貿易、投資に関する見通しも示されている。財貿易の伸びに関しては前年の5.0%から減速するものの、2025年からのAI関連財の貿易の伸びが一定程度継続し、2026年は2.7%と予測している。現在の中東地域における混乱により、ホルムズ海峡を通過する船舶数の減少や、保険料の上昇などの影響が生じている。他方、輸送コストへの影響は湾岸地域を通過する原油輸送に集中しており、国際的なコンテナ輸送やドライバルクのコストはわずかな上昇にとどまっているとした。
サービス貿易に関しては、デジタル、金融、専門サービスは引き続き拡大するとした一方で、ハブとなる中東地域の混乱も受け、観光サービスについては成長が鈍化するとの見方を示した。
投資については、継続する地政学的な緊張、金融コストと原材料コストの高まりや、政策の不確実性が重しとなり、停滞するとした。また、一部の国におけるAI関連投資の過熱に対しては、AIによる生産性拡大への期待の見直しや、紛争によるAI関連財の貿易の混乱など、脆弱(ぜいじゃく)性にもつながりうるとした。
(注)2026年5月1日時点のデータに基づく。
(山田恭之)
(世界)
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