カザフスタン初のLRTが首都アスタナで開業

(カザフスタン)

タシケント発

2026年05月27日

カザフスタンの首都アスタナで517日、ライト・レール・トランジット(LRT)が一般開業した。カザフスタンでのLRT開業は初。構想から20年強を経て実現した。開業により市内の渋滞緩和が期待される一方、市民の需要に疑問を呈する声もある。

写真 駅舎内のLRT車両(ジェトロ撮影)

駅舎内のLRT車両(ジェトロ撮影)

一般開業に先立つ516日にはカシムジョマルト・トカエフ大統領が参加のもと開通式が開催された。トカエフ大統領はLRT開業について、アスタナのみならずカザフスタン全土にとって特に重要であると述べた上で、アスタナをユーラシアの交通ハブにすべきだと強調した。

LRTはアスタナ国際空港から市内中心部を通過しヌルリー・ジョル鉄道駅までの18駅、およそ22.4キロメートルを約40分で結ぶ。運行間隔は56分おき。4両編成で、最大600人が乗車可能。高架上を自動運転で運行する。営業時間は午前6時から午後11時、一般乗車料金は1回当たり200テンゲ(約67円、1テンゲ=約0.335円)。現金や決済アプリ、銀行カード、交通カードでの支払いが可能。運行はアスタナ市政府の子会社である都市交通システムが担う。路線開発には中国企業が多く携わっており、施工は中国建築(CSCEC)が行い、車両は中国中車(CRRC)製が採用された。一般開業日には、想定を上回る10万人以上の市民が利用した(「クルシブ」518日)。

写真 アスタナのシンボル、バイテレク近くの駅(ジェトロ撮影)

アスタナのシンボル、バイテレク近くの駅(ジェトロ撮影)

LRT開業により市内渋滞の緩和が期待される一方、経済学者のオルジャス・バイディルディノフ氏は、現行ルートでの市民需要は限定的であると指摘する(「クルシブ」522日)。

アスタナのLRT建設をめぐっては紆余(うよ)曲折をたどった。2000年代半ばにLRT構想が持ち上がり計画が進んだが、資金問題や汚職問題により2度頓挫していた。2023年に本格的な建設に着手。2025年に試験走行を開始していた。

あるアスタナ市民はジェトロのヒアリングに対し「交通の選択肢が増えた」と歓迎の意を示した一方、別の市民からは完成までに時間を掛けすぎだという冷ややかな声もあった。ジェトロ所員が開業数日後の平日夕方に利用した際は、中心地を走る区間は座席が全て埋まっていた。特に混乱はみられず、市民の疑問に駅員が丁寧に対応する姿もみられるなど、安定した運行が行われていた。

写真 バイテレク駅舎内、混乱はなく落ち着いて運営されていた(ジェトロ撮影)

バイテレク駅舎内、混乱はなく落ち着いて運営されていた(ジェトロ撮影)

写真 路線図。南東部の空港から市内中心部を通過し、鉄道駅までつなぐ(ジェトロ撮影)

路線図。南東部の空港から市内中心部を通過し、鉄道駅までつなぐ(ジェトロ撮影)

(一瀬友太)

(カザフスタン)

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