吉林省、人型ロボット産業コンソーシアムが設立
(中国)
大連発
2026年05月14日
中国の吉林省政府は5月8日、「吉林省人型ロボット産業コンソーシアム」(以下、コンソーシアム)が同省科学技術庁で正式に登録を完了したと発表した。
コンソーシアムは、吉林省吉翼具身智能機器人(以下、吉翼)が中心となり、長春捷翼汽車科技(自動車関連)、吉林省高速公路集団、長春博立電子科技〔デジタルツイン(注1)関連〕、長光集団(光電子関連)などの省内企業、長春理工大学、長春工業大学、長春応用化学研究所などの大学・研究機関を合わせ、計33組織で構成される。中心となる吉翼は2025年8月、ロボットの研究開発・製造を中核に、知能アルゴリズム、人工知能(AI)ハードウエア、ロボット用オペレーティングシステムの開発を目的に、コンソーシアムに所属する企業を含む6組織により設立された。コンソーシアムにおいて吉翼は、メンバーとスマート交通、ロボット向け水素燃料電池、ロボット訓練分野における技術交流や共同研究を行う。また、人材育成や技術成果の商用化を目的としたプラットフォーム整備にも取り組み、人型ロボットの実用化・社会実装を目指す。
中国では、「中国製造2025」(2015年)や「第14次5カ年規画(2021~2025年)におけるロボット産業発展規画
」(2021年)を通じ、ロボット産業が国家戦略産業として位置付けられ、人型ロボットの中長期的発展を支える政策基盤が整備されてきた。吉林省、特に長春市は、自動車産業を中心とする製造業基盤や理工系大学・研究機関の集積を背景に、ロボット産業と高い親和性を有する。一方、人口流出や経済成長の鈍化を受け、伝統的な製造業からロボットやAIなど高付加価値分野への産業転換が喫緊の課題となっており、第14次5カ年規画期以降、国の政策と歩調を合わせた産業高度化が進められている。
吉林省科学技術イノベーション研究院の劉院長は、コンソーシアムの設立を通じて、人型ロボット分野のコア技術開発を促進し、「吉林製造(注2)」から「吉林スマート製造(注3)」への転換を加速するとともに、同産業の規模拡大と集積形成を後押しする考えを示した。
(注1)現実世界をデジタル空間に再現し、リアルタイムでシミュレーションを行う技術。
(注2)吉林製造とは、吉林省が自動車、鉄道・精密機械などの装備製造、医薬・バイオ、新材料・光電・航空宇宙関連分野といった伝統的製造業の主要生産拠点であることを指す。
(注3)吉林スマート製造とはAI、IoT(モノのインターネット)、5G(第5世代移動通信システム)、クラウド、ビッグデータ、工業インターネットなどの新世代情報技術と製造業を高度に融合させ、吉林省内の従来型製造業をデジタル化・ネットワーク化・高度知能化する一連の取り組みを指す。
(李莉)
(中国)
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