停戦合意でエジプト・ポンド安定、積み上げた外貨準備高が為替変動への耐性示す

(エジプト)

カイロ発

2026年05月12日

イスラエルと米国によるイラン攻撃を受け、中東情勢への警戒感が急速に高まった3月以降、エジプト・ポンド(EGP、以下、ポンド)は対ドルで大きく下落したものの、4月に入って一時は持ち直した(添付資料図1参照)。

エジプト中央銀行(CBE)の公式レートによれば、攻撃前の2月末は1ドル=47.8ポンド前後で推移していたが、地政学リスクと資本流出懸念から3月後半には一時54ポンド台半ばまで下落した。1カ月間で約6ポンドの下落となり、短期間としては大きい変動幅だった。

しかし4月に入ってからは、特に米国がイランとの間で2週間の停戦に合意した報道を受け、EGPが反発した。4月中旬にかけて売値で2~3ポンド戻し、51.8ポンド台まで回復した。4月末時点では再び53ポンド台に下落し、短期的には攻撃直後の水準に戻っている。

金融アナリストが「デイリーニュースエジプト」紙(4月18日)に寄稿した社説では、4月中旬の反発は単なる地政学的緊張の緩和だけでなく、2024年以降に導入された為替相場の柔軟化政策の効果が大きいと解説されている。悪材料と好材料の双方が素早く為替に反映されるため、並行市場(ブラックマーケット)の急激な拡大が抑えられているという。

積み上げた外貨準備高も為替のボラティリティー(変動率)耐性を高めている要因の1つだ。3月末の外貨準備高は528億ドル超と、攻撃直前の2月末よりも9,000万ドル増加しており(添付資料図2参照)、短期的な資本移動や為替変動への耐性を一定程度確保している。今後は中東情勢の行方に加え、資本流入の回復度合いがEGP相場安定を左右するとみられる。

(西澤成世)

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