イタリアのメローニ首相がアゼルバイジャン訪問、エネルギー確保へ首脳外交を活発化

(イタリア、アゼルバイジャン、中東)

ミラノ発

2026年05月21日

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は5月4日、アゼルバイジャンの首都バクーを訪問し、イルハム・アリエフ大統領と会談した。エネルギーの安定確保に加え、政治・経済分野における両国関係の一層の強化を図る狙い。

中東情勢が不安定さを増す中、アゼルバイジャンはイタリアにとって石油や天然ガスの重要な供給国として一層存在感を高めている。首脳会談後の記者会見で、メローニ首相は「ロシアによるウクライナ侵略以降、わが国のエネルギー安全保障において、アゼルバイジャンは重要な役割を果たしてきた」と強調。また、今後は供給量の拡大にとどまらず、サプライチェーン全体にわたる産業パートナーシップの「質」を高める考えを示した。さらに、アゼルバイジャンが欧州とアジアを結ぶ重要なハブとしての役割を強化し、イタリアが欧州市場への玄関口としての役割を強化するというビジョンのもと、その実現に向けた投資や長期的なプロジェクトを進めるとし、2026年後半にバクーでビジネスフォーラムを開催する計画を表明した。

メローニ首相は、ホルムズ海峡の封鎖など不安定化する国際情勢を受け、資源国との首脳外交を活発化している。3月25日に、イタリア向け最大の天然ガス供給国アルジェリアを訪問した。続いて4月3日から4日にかけて、イランでの軍事衝突以降、EU加盟国の首脳として初めて中東湾岸諸国を歴訪。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールの各首脳と相次いで会談し、エネルギーや防衛分野での連携強化で一致した。湾岸3カ国歴訪についてメローニ首相は、イタリアの存在感を示すべきとの意向を表明した。

エネルギー輸入依存度はEU平均超え、調達先の多角化進む

4月22日に経済・財務省が発表した財政報告書(DFP)によると、2024年時点でイタリアはエネルギー需要の約74%を輸入に依存しており、EU平均の依存度の約57%を大きく上回っている。ロシアによるウクライナ侵略が勃発する前の2021年と2025年を比較すると、天然ガスでは、全体の40%弱を占めていたロシアのシェアは約1%へ大幅減となり、アルジェリアが最大供給国(約38%)となっている。加えて、アゼルバイジャンや米国〔液化天然ガス(LNG)〕もシェアを伸ばしている。石油製品は、2021年、2025年いずれもサウジアラビアが最大の供給国(約25%)だが、2021年に第2位だったロシアに代わり、インド、トルコ、エジプトなどが新たに上位供給国となった。原油は、ロシアからの輸入シェアが2021年には8.9%だったが、2025年ではほぼゼロとなり、リビアとアゼルバイジャンの2カ国で約40%のシェアを占めている。

(平川容子)

(イタリア、アゼルバイジャン、中東)