フランス、ハンタウイルス対策措置を明確化、乗客は最長42日間の隔離の可能性も
(フランス、アルゼンチン)
パリ発
2026年05月15日
世界保健機関(WHO)は5月7日、クルーズ船「MVホンディウス号」でアンデス型ハンタウイルスのクラスターが発生し、8例の感染が確認されたと発表した。同船に乗船していたフランス人5人の帰国を受け、フランス政府は2026年5月11日に公布した政令
(デクレ、フランス語)で、感染リスクにさらされた人物に適用される衛生措置を明確化した。国内での拡散を防ぐため、感染リスクにさらされた者の追跡や隔離、感染者の個別隔離の措置を強化した。
同船に乗船していた5人は、医学的および疫学的状況の詳細な検査のため、病院での隔離措置が取られている。検査結果に応じて隔離の継続や個別隔離への移行が判断され、措置は最長で42日間に及ぶ可能性がある。
また政令は、同船の乗客やアンデス型ハンタウイルス感染者、または感染リスクが高いと判断される人物と接触した者についても規定。感染の可能性が高いと判断されれば、隔離または個別隔離の対象となる。
ステファニー・リスト保健・家族・自立・障害者担当相は5月11日、女性乗客1人がハンタウイルス陽性と判定されたと発表。これを受け、保健当局は22人の接触者を特定し、症状の早期発見と感染連鎖の防止に向けて健康状態の監視を続けている。同相は、フランスはマスクやPCR検査、医薬品などの面で対応体制が整っているとし、感染リスクへの備えができていると強調した。
一方、フィリップ・タバロ運輸相は5月13日、フランス公共ラジオ「フランスアンフォ」のインタビューで、ハンタウイルスを理由とした渡航制限は現時点で設けないとの方針を示した。感染源とみられるアルゼンチンへの渡航について問われ、「国民は望むとおりに旅行できる」と述べた。
同相は「一部地域との往来や感染経路の追跡については注意を払う」としつつ、「現時点で、いかなる交通手段においても制限はない」と強調。国内の公共交通機関におけるマスク着用についても、「現段階で必要とは考えていない」とし、「マスク着用の再導入も、特別な予防措置もない」と述べた。
また、「ハンタウイルスは新型コロナウイルスのようには拡散しない。状況は当時とは大きく異なる」と指摘し、「国民の不安は理解する」としつつ、「現在は全く異なる局面にある」との認識を示した。
(山崎あき)
(フランス、アルゼンチン)
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