ASEAN首脳会合、中東危機対応で6分野の優先行動を確認
(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)
ジャカルタ発
2026年05月18日
第48回ASEAN首脳会合(サミット)が5月8日、フィリピン・セブで開催され、ASEAN11カ国の首脳らが出席した。ミャンマーからは、外務省高官が出席した(5月11日ミャンマー外務省発表)。
会合後の議長声明
では、地政学的・地経学的変化の中、長期的成長と経済強靭(きょうじん)性を支えるため、エネルギー・食料安全保障、貿易・投資連携、デジタル変革、新興技術の責任ある利用、中小零細企業(MSME)の支援、創造経済、持続可能な経済慣行の重要性を強調した。
2025年の域内対内直接投資は、ASEAN域内からの投資が総流入額の15.9%を占め、最大の投資元国・地域となった。同地域が首位となるのは2020年以来。
経済政策と安全保障上の結びつきが強まっているとした上で、貿易促進と地域サプライチェーン強靭性向上に向け、「戦略的貿易管理に関するASEAN首脳声明」を策定することで合意した。地域的な包括的経済連携(RCEP)協定では、加入申請国の加入プロセスを2026年の優先事項として進める方針を確認し、2027年の一般見直し準備の開始を歓迎した。ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)は、第49回ASEANサミットでの署名に期待を示した。
2025年10月に正式加盟した東ティモールについて、2029年のASEAN議長国就任への意向を評価し、加盟要件履行への支援方針をあらためて確認した。
中東情勢では同日、「中東危機への対応に関するASEAN首脳声明
」を採択し、エネルギー市場や海上・航空輸送ルートに及ぼす影響を協議した。東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)による地域共同石油備蓄調査検討の提案に留意するほか、地域強靭性向上に向け、6分野の優先行動(注)に取り組む決意を再確認した。
エネルギー分野では、ASEAN石油安全保障枠組み協定(APSA)の批准加速を促し、地域の備え、調整メカニズム、実施体制強化を打ち出した。また、再生可能エネルギー移行、原油および石油精製品の供給源の拡大、エネルギーの域内貿易強化などの供給多角化を含む地域協力・調整の強化を通じた、地域のエネルギー安全保障および強靭性の強化が示された。また、バイオディーゼルおよびバイオエタノールの混合加速、電気自動車などの導入促進、再エネ導入の強化、民生用原子力を含む新興技術の役割を検討するとした。さらに、ASEANパワーグリッド(APG)などの推進を盛り込んだ。
(注)優先行動は、(1)危機調整、対外関与および制度的即応性の強化、(2)エネルギー安全保障および地域の強靭性の強化、(3)金融の強靭性およびマクロ経済の安定の強化、(4)食料安全保障および農業サプライチェーンの保護、(5)貿易、サプライチェーンおよび市場の安定の強化、(6)人間中心および人道的対応の強化。
(大滝泰史)
(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、東ティモール)
ビジネス短信 34218fc5b84f1d36





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