リトアニア、宇宙産業のイベントを開催、日本との連携加速に期待
(リトアニア、ポーランド、日本、EU)
ワルシャワ発
2026年05月28日
欧州の安全保障戦略自立が求められる中、宇宙産業の重要性が増している。バルト地域の課題と宇宙産業の役割を議論するイベントとして、「ビリニュス・スペース・デイズ2026」が、5月6日にリトアニア・ビリニュスで開催された。ポーランド宇宙機関(POLSA)率いるポーランド企業団を主賓として迎えた。
イベントの冒頭に、欧州委員会のアンドリウス・クビリウス委員(防衛・宇宙担当)(リトアニア出身)は、EUは安全保障の中核に宇宙産業を位置づけていると述べ、地球観測・通信・衛星保護・打ち上げ能力の強化を進める方針を示し、産業連携の必要性を強調した。イベントには、欧州宇宙機関(ESA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)も参加した。ESAは予算を拡充し、特に安全保障・防衛分野と地球観測を重要視していると述べた。JAXAは、研究開発機関としての役割に加え、宇宙産業のハブとしての役割も担い、宇宙産業における欧州との協力に前向きな姿勢だと述べた。
リトアニアでは、小型衛星、レーザー通信、地球観測データ解析、セキュア通信などの分野でスタートアップが成長しており、中・東欧、北欧市場への戦略的ハブとしての役割を強めている。
宇宙産業関係者による講演セッションでは、次の分野が重要な安全保障課題として認識され、従来型の「民生利用中心の商業宇宙ビジネス」のみならず、デュアルユース、防衛隣接技術、レジリエンスインフラとしての宇宙需要が拡大していると語られた。
- 衛星測位システム妨害(GNSS Jamming / Spoofing、GNSS:Global Navigation Satellite System)
- セキュア通信(Secure Communication)
- 地球観測(EO)監視(Earth Observation Monitoring)
- 重要インフラ防護(Critical Infrastructure Protection)
イベントの様子(ジェトロ撮影)
本イベントにはジェトロも参加し、主催者のリトアニア・イノベーション庁に、日本企業との連携について尋ねた。同庁によると、リトアニアと日本はすでに重要な宇宙技術の開発において次のような協力事例がある。
- コングスベルグ・ナノアビオニクス(Kongsberg Nanoavionics)が2025年11月に、日本の大手総合重工業企業IHIおよびIHIエアロスペース向けに開発されたミッションにおいて、ハイパースペクトル地球観測用の6Uキューブサットを打ち上げた。
- デルタ・バイオサイエンス(Delta Biosciences)が2026年に国際宇宙ステーション上で、ESAとの協力のもと実施するミッションには、三菱ガス化学が提供するペイロード(ミッション機器)設計サブシステムも含まれている。
担当者は、日・リトアニア間の産業連携のさらなる加速に期待を示した。
翌5月7日には、リトアニアとポーランド両国のネットワーキングを含めた、リトアニア・ポーランド宇宙ビジネスフォーラムが開催された。
(注)キューブサットとは、1辺10センチメートルの立方体を1Uとして規格化された小型衛星のこと。
(遠山宗督、余田知弘)
(リトアニア、ポーランド、日本、EU)
ビジネス短信 2c261a4dce00c28b





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