タイの第1四半期GDP成長率は前年同期比2.8%、輸出や政府支出の増加を受け加速
(タイ)
バンコク発
2026年05月21日
タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は5月18日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を公表した。前年同期比は2.8%(前期2.5%)と加速した一方、前期比は0.7%と前期の1.9%から成長率が縮小した。
生産項目別に成長率をみると、農業は好天によるサトウキビやゴム、油ヤシなど主要作物の生産が増加したことにより、前年同期比1.2%(前期0.6%)と拡大した。また、非農業は3.0%(2.7%)に成長率が上昇した。非農業のうち工業部門では、鉱業や採石業、製造業、電気・ガス業の増加などにより、1.8%(0.9%)と拡大した。また、サービス部門は、建設業や卸売・小売業などで縮小したものの、宿泊・飲食サービス業や情報通信業、金融保険業などが拡大し、3.6%(3.5%)となった。
需要項目別に成長率をみると、内需では、民間消費が前年同期比3.2%となり、前期(3.3%)から減速した。これは、非耐久財や準耐久財の消費が増加した一方、耐久財とサービスの消費が減少したことが影響した。一方、政府消費は4.5%と、前期(2.2%)から拡大した。また、総固定資本形成は9.9%と、前期(8.1%)から加速した。民間部門は建設投資や設備投資が増加し、10.1%(前期6.5%)と加速した一方、公的投資は政府部門が減速し9.4%(13.3%)となった。
外需では、財・サービス輸出は前年同期比12.6%と前期(5.9%)から拡大した。うち、財輸出は、農産品の輸出が減少したものの、電話機、コンピュータ・同部品が世界的な電子製品需要を背景に支えた。また、サービス輸出は、旅行収入の増加などに伴い拡大した。一方、世界的な電子製品需要の拡大を受けた輸入の増加や、貿易量拡大に伴う輸送費の増加などにより、財・サービス輸入は21.1%(前期9.5%)と加速した。
また、NESDCは2026年の成長率について1.5%から2.5%(中央値2.0%)と前回の予測を維持した。内訳をみると、民間消費は、政府の施策が支えとなり拡大が続く見通しだ。政府消費は、一般予算と繰越予算による予算枠拡大による支出増加を見込んだ。総固定資本形成は、次年度予算の順当な成立と執行を前提とした政府投資のほか、ハイテク・デジタル産業での需要が民間投資を支えるとし、前回見通しから上方修正した。外需は、海外旅行客数が減少する一方、米国関税政策の緩和や人工知能(AI)関連需要の継続が財・サービス輸出を支えるとし、前回から上方修正した。
(野田芳美)
(タイ)
ビジネス短信 232d061e3cd0017f





閉じる