電力の需要増で2032年までに最大3基の水素複合発電所設置へ、提案の公募を開始
(シンガポール)
シンガポール発
2026年05月11日
シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)は4月29日、電力需要の増加に対応するため、天然ガスと水素の複合発電が可能な新発電所の設置に向け、提案依頼書(RFP)を発表し、公募を開始した。2031年に1基、2032年に最大2基を稼働させる計画だ。
今回公募する3基は、水素だき可能なコンバインドサイクル・ガスタービン(CCGT)を備えた発電所となる。各発電能力は600メガワット(MW)以上としている。公募の締め切りは、2031年に稼働予定の1基が2026年6月24日、2032年に稼働予定の最大2基が2026年9月30日。
同国では近年、CCGT発電所の開発が相次いでいる。4月29日付の英字紙「ストレーツ・タイムズ」によると、2025年に完成した4基を含め、2032年までに合計11基が設置される見通しだ。政府が2022年10月に発表した国家水素戦略では、水素発電の技術革新が進展すれば、2050年までに国内の電力需要の最大半分を水素が占めると見込んでいる(2024年8月15日記事参照)。
EMAは、国内の電力需要が近年、半導体やデータセンターなど製造業やデジタル分野に牽引され堅調に拡大していると指摘した。EMAの予測によると、国内電力システムのピーク需要は今後10年間で年率2.4~4.8%拡大し、2031年までに9.6~11.4ギガワット(GW)に達する見通しだ。
地熱導入に向けた実現可能性調査も公募開始
また、EMAは4月28日、地熱エネルギーシステム導入に向けた包括的な実現可能調査のRFPを発表、公募を開始した。地熱の導入は、水素と並び発電部門の脱炭素化の取り組みの一環となる。
同国は火山帯に位置しないものの、近年の地熱技術の発展により地下深部の熱を電力や冷暖房に活用する可能性が期待されている。今回の調査は2024年に実施した先行調査を踏まえて行うもので、同国の地熱の潜在力を評価し、地熱導入に関する今後の方針を決める材料とする。公募の締め切りは2026年6月29日の予定。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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