英国ビジネススクールで「アフリカサミット」開催、重要鉱物と天然ガスに焦点

(英国、アフリカ)

ロンドン発

2026年05月13日

英国のロンドン・ビジネス・スクール(LBS)で5月2日、第24回「アフリカビジネスサミット」が開催された。アフリカに関わる研究者や多国籍企業、投資家などが参加し、開発課題とビジネス機会をテーマに議論が行われた。

資源分野では、世界各地でエネルギー転換が進むにつれて、リチウムやコバルトなどの重要鉱物の需要が拡大している点が焦点の1つになった。アフリカが主要供給地であるが、その約8割がアフリカ大陸の外で加工されている現状を踏まえ、資源輸出にとどまらず、産業拠点へと移行する好機だとの意見が示された。

インフラ投資会社Africa50の投資部門責任者、フォラセト・オルグバデ氏は、「重要鉱物の加工や関連産業を育成するには、インフラと政策の連携が不可欠だ」と指摘した。輸送インフラや電力基盤が未整備では下流産業は発展しないとして、政策設計と官民連携の重要性を強調した。さらに、資源が各地に分散するアフリカ大陸の特性を踏まえ、複数地域で利用可能な回廊を整備し、資源・インフラ・電力を共同利用することが、コスト削減や工業化促進につながるとの見解が示された(注)。

また、化石燃料への依存が続くアフリカで、天然ガスが再生可能エネルギーへの移行期の現実的な選択肢となり得るか議論が行われた。液化天然ガス事業を手掛けるロゼッタ・エナジーの最高経営責任者(CEO)カリム・シャーバン氏は、「天然ガスは石炭やディーゼル燃料と比べて環境負荷が低く、経済効果が高い」と述べた。また、天然ガスの強みとして柔軟に導入・展開できる点を挙げ、液化天然ガスをトラック輸送することで、天然ガス網や電力網が未整備な地域でも産業用途に活用できると強調した。例として、同社が事業を展開するアフリカ有数の鉄鉱石生産国のモーリタニアでは、同国北部の鉱山地域への天然ガス供給を通じて、現地加工を行うインフラ整備を進める計画があると述べた。将来的には鉄や鉄のペレット製品を輸出し、地域経済の振興を図るという。

全体の議論を踏まえ、ブルームバーグNEFの金属・鉱業分野責任者、クワシ・アンポフォ氏は、石油を活用して経済多角化を進めてきたアラブ首長国連邦(UAE)を例に挙げ、「アフリカでも、資源収入を次の投資につなげ、多分野へ展開しなければ持続的な経済発展は実現しない」との考えを示した。

写真 サミットの様子(ジェトロ撮影)

サミットの様子(ジェトロ撮影)

(注)物流・インフラについては、調査レポート「サブサハラ・アフリカ地域における物流・インフラプロジェクトの動向」を参照。

(植松麗良)

(英国、アフリカ)

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