インド、砂糖輸出を9月末まで禁止、供給減懸念で政策転換
(インド)
ムンバイ発
2026年05月19日
インド商工省外国貿易部(DGFT)は5月13日付の通達で、砂糖(粗糖、白糖、精製糖)の輸出政策を従来の「制限(Restricted)」から「禁止(Prohibited)」として規制の水準を引き上げ、同日より即時適用すると発表した(添付資料参照)。適用期限は2026年9月30日、または政府による追加措置が出されるまでとしている。インドはブラジル、タイに次ぐ世界有数の砂糖輸出国(2024年時点)であり、今回の措置は今後の国際需給にも影響を及ぼす可能性がある。
今回の輸出禁止措置は、国内の供給逼迫懸念と砂糖価格の上昇圧力を抑制することを目的としている。地場格付け会社ICRAによると、エタノール生産転用分を差し引いた純生産量は約2,800万トンにとどまる見込みだ。これに対し、国内消費量(約2,830万トン)と輸出(約70万トン)を考慮すると、2026年9月末の期末在庫は約430万トンに縮小する見込みで、これはおよそ2カ月分の消費量に相当し、例年と比較して在庫水準が低下することを示している。
政府は2025年11月時点で、当時の生産予測に基づき計150万トンの輸出を認め、その後2026年2月にはさらに50万トンの追加輸出を承認していた。しかし、主要生産州のマハーラーシュトラ州やウッタル・プラデシュ州で天候不順の影響が顕在化し、生産環境が悪化したことから政策判断の見直しが行われた。
業界団体であるインド砂糖・バイオエネルギー製造者協会(ISMA)は、「今回の措置は、国内の供給状況や気候リスクの変化に対応したもの」と評価している。一方で、既に締結済みの輸出契約の履行に支障が生じる可能性を指摘している。同協会は、既存契約の円滑な履行を認めるなど、国際的な取引信用を維持するための配慮を求めている。
(野本直希)
(インド)
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