米ウォルマート、テキサス州に乳製品加工施設を新設、供給網の内製化を推進
(米国)
ニューヨーク発
2026年05月01日
米国小売り最大手のウォルマートは4月29日、テキサス州ロビンソン市に自社運営の乳製品加工施設を新設したと発表
した。同社にとって3拠点目となり、総投資額は3億5,000万ドル以上に上る。今回の新設により、同社が長年継続してきた米国製造業への貢献と地元調達拡大の公約を推進する狙いがある。
同施設は、米国中南部にある650以上のウォルマートおよび同社傘下のサムズ・クラブに幅広いプライベートブランド製品を提供する。生産から物流までを自社で管理することで、コスト削減と鮮度の維持、供給リスクの管理などが可能となり、競合他社に対する大きな優位性となる。ウォルマートの米国法人食品担当執行副社長のジョン・レイニー氏は、「本施設は、高品質な牛乳への需要に応える能力を高め、サプライチェーンの供給力を強靭(きょうじん)化する。同時に、酪農場から店頭までの時間を短縮することで鮮度を向上し、顧客に対して一貫性、透明性、そしてさらなる価値を提供することにつながる」と、その意義を強調した。
供給網の強化・内製化と並行して、ウォルマートは実店舗への再投資を加速している。ウォルマートは、同社の大型複合施設「スーパーセンター」や、中小型の食品スーパー「ネイバーフッド・マーケット」を含む650店舗以上の改装と、今後2年間で約20の新店舗開設を計画している。この取り組みは、5年間で150店舗の新規・転換を目指す戦略の一環で、オンラインと実店舗をまたいだ購買行動を志向する消費者のニーズ(オムニチャネル需要)に対応するため、デジタル刷新や店舗のeコマース(EC)拠点化を推進する。
今回の投資は、製造領域への垂直統合による供給網強化と店舗網の刷新という、同社の成長戦略を浮き彫りにしている。インフレ下で価格志向が強まる中、低価格と利便性を追求する姿勢が、同社の競争優位性をさらに高めることになりそうだ。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 138e5d304548ad5b





閉じる