3月の輸出入が単月で過去最高に、AI需要と半導体設備投資が牽引
(台湾)
調査部中国北アジア課
2026年04月16日
台湾財政部は4月10日、2026年3月の貿易統計を発表した。同発表によると、輸出額は前年同月比61.8%増の801億8,000万ドル、輸入額は38.3%増の589億1,000万ドルとなり、輸出入ともに単月ベースで過去最高額を記録した。これにより、貿易収支は212億7,000万ドルの黒字となった。1〜3月の累計においても、輸出が前年同期比51.1%増、輸入が34.8%増と好調に推移している。人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)などの需要拡大に加え、次世代AI演算システムの量産出荷が全体を力強く牽引した。
3月単月の貿易について品目別にみると、輸出では、情報通信・映像・音響機器が牽引し、同品目の輸出額は前年同月比で2.3倍の397億3,000万ドルに達し、過去最高額を記録した。電子部品も44.0%増の252億4,000万ドルと過去最高額になり、うち集積回路(IC)が45.7%増だった。 輸入についても、AI産業チェーンにおける国際分業の進展および半導体設備投資に後押しされて、用途別の3区分(原材料、資本設備、消費財)すべてで単月最高を記録した。特に電子部品などが含まれる「原材料」が45.0%増と3区分のうち最大の伸びを示した。
国・地域別にみると、3月は主要市場向け輸出が全般的に増加し、米国、中国大陸および香港、ASEAN向けが過去最高を記録した。とりわけ、対米輸出は情報通信・映像・音響機器が牽引し、前年同月の2.2倍の285億4,000万ドルと大幅に拡大した。また、1~3月の累計においても、5大市場(米国、中国大陸および香港、ASEAN、欧州、日本)すべてで2桁成長を示した。中でも、対米輸出は前年同期比98.9%増と最も顕著な伸びを示しており、総輸出に占める割合は33.5%に達し、約36年ぶりに同期間の最高水準を記録した。3月単月の輸入についても、中国大陸および香港が前年同月比38.1%増、ASEANは70.8%増、韓国も69.5%増と軒並み2桁増となった。
財政部は今後の見通しについて、各国のAIインフラへの投資拡大により、台湾の半導体および情報通信サプライチェーンに対する需要は、引き続き高水準で推移すると見込まれるとした。また、台湾域内では、先端プロセスおよび高付加価値パッケージングの生産能力が相次いで立ち上がっていることも、輸出の拡大を下支えする要因になっていると指摘し、2026年上半期も2桁成長が継続するとの見方を示した。ただし、中東の地政学リスクの動向および米国の通商政策の変化といった外部情勢による影響には引き続き注視が必要としている。
(藤本海香子)
(台湾)
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