中国を選ぶ割合が2年ぶりに米国を上回る、ASEAN調査
(ASEAN、シンガポール)
シンガポール発
2026年04月08日
シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所(以下、ISEAS)は4月7日、ASEAN加盟11カ国の識者らを対象とした調査報告書「The State of Southeast Asia:2026 Survey Report
」を公表した。
同調査によると、中国か米国のいずれかと同盟を結ぶことを余儀なくされた場合、「中国を選ぶ」と回答した割合がASEAN加盟国平均で52.0%と、2年ぶりに過半数を超えた(2025年4月4日記事参照)。国別にみると、インドネシア(80.1%)、マレーシア(68.0%)、シンガポール(66.3%)、東ティモール(58.2%)、タイ(55.0%)、ブルネイ(53.5%)で中国を選ぶと回答した割合が50%を超えた。これらのうち、インドネシア(前回:72.2%→今回:80.1%)、シンガポール(47.1%→66.3%)、東ティモール(40.9%→58.2%)で中国を選ぶと回答した割合が増加した。ISEASは調査報告書において、「中国政府と深い経済的相互依存関係にある国々は中国寄りの傾向が強い一方、米国の伝統的な安全保障パートナー、特にフィリピン(米国と回答した割合:76.8%)は米国政府との連携を堅持している」と分析した。
最も信頼できる国、日本が8年連続で1位
日本は「最も信頼できる国・地域」(注)で、8年連続で1位を維持した。ISEASは報告書において、「日本は引き続き最も高く、かつ一貫した信頼度を維持しており、地域にとって安定的で頼りになるパートナーとしての評判を確固たるものにしている」と評した。
他方で、米国は「信頼」が低下した一方で、「不信」が上昇した(注)。「米国の強硬姿勢の増大や、ルールに基づく多国間システムからの後退に対する懸念の高まりを反映している」と指摘した。
また、中国とインドは2019年の調査開始以降初めて、「信頼」と回答した割合が「不信」を上回った。インドと中国の両国に対する信頼の高まりについて、「この地域において、より多極的な影響力の分配に関与しようとする意欲が高まっていることを示唆している」との見方を示した。
同調査はISEASが毎年実施しているもので、今回で8回目。今回発表された最新の調査は、ASEAN加盟11カ国の学術界・シンクタンク・研究機関、市民社会組織・メディア、政府、産業、地域・国際機関の関係者2,008人が回答した。調査期間は、2026年1月5日から2月20日まで。
(注)「当該国・地域が世界の平和、安全保障、繁栄、統治に貢献するために正しい行いをする」と思うかを聞いた問いで、「強くそう思う」もしくは「そう思う」と回答した割合(「信頼」)。「そう思わない」もしくは「強くそう思わない」との回答が「不信」。
(朝倉啓介)
(ASEAN、シンガポール)
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