大塚製薬、米医薬品開発のトランセンド・セラピューティクスを買収

(米国、日本)

ニューヨーク発

2026年04月02日

大塚製薬(本社:東京都千代田区)は3月27日、米国子会社である大塚アメリカが、神経・精神疾患の治療薬を開発するトランセンド・セラピューティクス(本社:ニューヨーク市)を買収することで合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社の発表によると、買収は2026年第2四半期に完了する見込みで、大塚製薬はその際、トランセンドの株主に7億ドルを支払い、将来の売上高に応じて最大5億2,500万ドルを追加で支払う。

トランセンドは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やその他の精神疾患に対する治療薬となるTSND-201を開発している。大塚製薬によれば、米国では1,300万人以上がPTSDに苦しんでおり、現状では過去25年間に新たな治療法は承認されていない。現在、PTSDに対して米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ている薬剤は2種類のみで、いずれも効果があらわれるまでに最大12週間を要し、副作用を伴うという。同社は、TSND-201はより迅速かつ効果的な治療を可能にする潜在力を有すると期待を寄せる。

大塚製薬の発表によると、TSND-201は2026年2月に実施された第2相臨床試験(IMPACT-1)で良好な結果を示し、2025年7月にはFDAから「ブレークスルー・セラピー(画期的な治療法)」の指定を受けた。この指定は、既存の治療法に比べて実質的な改善を示す予備的な証拠がある治療法に対して、承認および審査の迅速化を認めるもの。2025年9月、トランセンドはFDAとTSND-201の開発促進について協議するとともに、現在治験者募集が進められている第3相臨床試験の設計を確認した。今回の買収により、大塚製薬は精神科および神経科分野における地位を強化することになる。

大塚製薬の2024年度の売上高は過去最高の154億ドルで、その約70%を医薬品事業が占めた。大塚アメリカは1989年にメリーランド州で設立され、抗精神病薬を主力製品としている。2026年1月、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬である「セタナファジン」の新薬承認申請(NDA)が、FDAにより優先審査の対象として受理されている。

(大垣ジャスミン)

(米国、日本)

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